公務員試験対策の技法:スキマ時間の徹底活用
公務員試験の勉強は、再び大学受験の勉強をするくらいの負担があり、周囲の仲間が全員勉強しているわけではないので、モチベーションを維持することが難しい。また大学での勉強やサークル活動、アルバイトなど、必ずしも公務員試験の勉強に時間の全てを割けるわけではない。そうした状況の中で、公務員試験対策にはスキマ時間を有効に活用することを勧めたい。私は、スキマ時間をどう活用するかが試験対策の成果のみならず社会人としての成果も左右する、と考えている。
スキマ時間とは、ある活動をメインに行っている間に、その活動をする必要がなく数分単位で時々訪れる時間のことである。具体的には、トイレの時間や移動時間、テレビで見る必要がない映像が流れている間、食事中などである。短いもので1分程度長いものは30分くらいであろうか。スキマ時間を使った有効な勉強は、暗記である。
公務員試験には、暗記項目が多い。暗記項目を効率的に覚えるには、時間を細かく分けて回数を増やしたほうが良いと言われている。例えば英単語を毎週350個覚えたい場合、日曜日の午前中に集中して350個全部覚えるよりも、毎日50個さらには午前中・午後・夜と分けて覚えた方が、負担感も少なく記憶に残りやすい。スキマ時間を活用すれば、わざわざ記憶のために時間を確保する必要もなくなり、良いことづくめである。
スキマ時間を有効に活用するためには、2つの準備が必要である。まず、その時間に何をするのか決めておくことである。3分あれば、単語の暗記ができる。5分あれば過去問の復習ができる…と、スキマ時間の長さで出来ることをあらかじめ決めておくと、いざスキマ時間となった時にいちいち迷うことがない。次に、スキマ時間にするものを常に手元に置いておくことである。スマホに暗記用のアプリを入れておいたり、小さなノートを持っていると良い。
ちなみに、私は今、自宅トイレの中に単語帳を置いている。トイレに入った時は、必ず単語の勉強をする。また、海外進出をめざすタレントが家のあちこちに英単語の「ふせん」を貼り付けている、という話を聞いたこともある。歯磨き中や着替えている時やくつろいでいる時間でも覚えたい単語を目にすれば、暗記に効果的だ。また、ふせんだからいつでも貼り替えることができる。
スキマ時間は、あくまでもメインの活動が空いている時間なので、十分な時間が確保できるとは限らない。例えば、スキマ時間でメールの確認や発信をしようと思っていても、想定以上の分量となった場合にはスキマ時間だけで処理できない。その場合は、あえてスキマ時間を延長するのも良いだろう。例えば、電車で1駅前に降りれば移動時間を長くすることができる(さらに運動にもなる)。私の場合、単語帳をちょうど1ヶ月で最後まで終えるペースだが、月末には少し余計にトイレに入ってしまうこともある。
なお、スマホの機能が大きく進化していて、スキマ時間にできることが飛躍的に広がっている。例えばこの投稿は、これまでキーボードを使ってパソコンで入力する必要があった。そのため、入力できる(テーブルと椅子がある)場所を探し、パソコンの電源を立ち上げる…というようにいくつもの手順が必要で、スキマ時間にできる作業ではなかった。しかし、今やスマホを使ってすぐに画面を開き、音声入力でキーボードよりも速く入力できる。スキマ時間を有効に活用すればするほど、トクした気分になる(ただし、文章を書くには書く内容が事前に準備できていることが必要で、それには別のテクニックがある)。
暗記用のアプリの中には、自分で問題を作って、人間の記憶に最も良いタイミングで出題してくれるものもある。こうしたものを使って、ぜひともスキマ時間の有効活用(=学業やアルバイトなどの活動を犠牲にしないこと)と円滑な公務員試験対策に結びつけていただきたい。