日曜コラム「マイ・オピニオン」第7回:再び自粛か、このまま緩和か

 東京都で新型コロナウィルスの新規感染者数が4日連続で200名を超えた。再び緊急事態宣言か、との懸念もあるが、政府にそうした動きはない。警戒感は高まっているようだが、医療体制に問題がないことや、軽症で済む若者の感染が多いことなどが理由のようだ。

 その一方で、経済活動が徐々に戻りつつある。プロ野球等でも観客が入るようになり、待ちわびたファンの喜びの声も聞かれるようになった。今後、さらに観客数を増やしていくという。夏の花火大会などは中止が多いようだが、イベントがまったく行われないわけではない。

 このように、新型コロナウィルスの第二波到来への警戒と経済活動の回復が同時に進んでいるのが現状である。第二波到来によって医療体制がひっ迫し、再び緊急事態宣言が発出されれば、経済活動もまた自粛が要請されるであろう。そうすれば、新規感染者数も減少することが見込まれる。

 しかしながら、財政面での余力が大きく低下している。新型コロナ対策として、すでに政府は計60兆円規模で二度の補正予算を編成している。財源は赤字国債である。また、都道府県も基金を大きく取り崩し、残高は70%減少した。その規模は約1兆円と決して多くはないものの、基金は新型コロナのためにあるわけではない。景気の変動等によって税収が不足した場合に、基金を取り崩して財政規模の平準化を図るものである。したがって、本当に基金が必要になるのは、経済が停滞するこれからなのである。この段階は基金が3分の1に縮小してしまったのでは、今後の財政運営はかなり厳しいのではないか。

 ここに第二波が到来し、再び緊急事態宣言が発出されて外出自粛が要請されても、自治体の基金は大きく縮小してしまったので、独自の対策ができなくなる。もちろん、国に何らかの財源を要請するであろうが、これまでと同程度の支出は見込めないのではないだろうか。

 経済活動が回復しないと、経済は停滞したままである。しかし、それによって第二波が訪れてしまっては、もはや財政負担に耐えられないかもしれない。こうした綱渡りのような状況のなかで、国も自治体も政策判断を迫られている。しかも、データが必ずしも不十分でないし、今後の予測も難しいため、最小限の活動縮小で経済活動を続けられる確実な方策を持ち合わせているわけではない。最終的には、祈るような思いで判断をしているのではないだろうか。

 国も自治体も、代表者を選んでいるのは我々国民である。選挙では「自分1人くらい投票しなくても変わらない」と考えて投票しない人もいるだろう。確かにそうかもしれない。しかし、今回の新型コロナでも「自分1人くらい方針に反する行動をとっても変わらない」と、投票と同じパターンで行動してしまうと、結果は大きく変わるのではないだろうか。政治家の不祥事等が相次いで報道されるなかで、彼らのメッセージに耳を傾ける気にならないのも理解できる。しかし、方針に反するのならば、なおさら国民は賢明な行動をとらなければならないだろう。

 再び自粛か、このまま緩和か-最終的には、国民の行動にかかっている。

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