木曜コラム「公務員の仕事」第21回-長期計画の策定プロセス(2)担当課とのヒアリングなど

 長期計画の内容を最終的に決めるまでには3つのプロセスがあるのですが、最も重要なのは最初の段階だと考えています。それは、職員による「たたき台」の作成です。

 計画の内容は、たたき台の段階でほぼ固まります。ほとんどの政策がこの段階で盛り込まれるからです。たたき台を作るまでのプロセスは長く複雑ですが、重要な役割を担うのはのは担当者です。したがって、長期計画では担当者の役割が非常に重要と言えます。

 まず、担当者は計画に掲載するプロジェクトのリストと概要を各課から提出してもらいます。担当者は、対象者や根拠法令、予算規模や財源など基本的な事項を盛り込んだ調書の様式を作成し、各課が記入しやすいようレイアウトにも工夫が必要です。親切な担当者の場合は記入例などを作ることもあります。

 各課から大量の調書が提出されるので、書き方の質問などを受けることもあり、適宜答えていきます。1か月ほどで調書が揃いますが、多くの参考資料などを添付してくる課もあれば、数枚の調書だけを提出する課もあります。各課の所管政策の特徴や記入者の個性などが出てくるのです。長所と資料を合わせると、全部で何冊ものファイルになります。

 ここからが、担当者の腕の見せどころです。まずは、出てきた政策のうち、計画に入れるかどうかの取捨選択をします。もちろん、簡単に触れるだけのものもあれば詳しく紹介するものもあるので、濃淡があります。なるべく幅広く、かつ計画の特徴が出せるものを選んでいきます。

 続いて、政策を体系的にまとめる作業です。各課から出てきたものをそのまま並べるのは、行政目線になってしまいます。そこで、市民生活や企業活動の視点から政策を分野ごとに整理することになります。どのように整理すれば分かりやすくなるかを、市民や行政など関係者の目線を想定してシミュレーションし、試行錯誤を重ねて構成が出来てきます。また、それぞれの分野に「うるおいのあるまちづくり」などの名前の案を付けるのも、だいたいこの段階になります。

 さらにここから、分野ごとの現状分析や課題の提示などを行い、政策の説明へとつなげていきます。分野ごとにページ数が決まっているので、きちんと収まるように調整できる文章力も必要になってきます。

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