金曜コラム「文章、プレゼンの基礎」第14回:計画は必要だが、変更を恐れない
文章を書く時は、構成とスケジュールをできるだけ明確にしておいた方が良いと思います。特に、長めの文章を書く時は、何も考えずに書き始めるとどんな結論になるかが分からなく不安も大きいので、書く前に構成を書いておいた方が良いと思います。
文章の構成とは、目次と文字数の配分です。章や節の構成と要旨を明確にし、それに費やす文字数もある程度の目安をつけておくと、格段に書きやすくなります。パソコンならどこから書いても、どれだけ直しても良いので、書きたいところ、書けるところから書いていくことができます。深く考えないと書けないところは後に回し、簡単に書けるところから書いてしまえば少しでも進んでいることに安心できますし、また深く考えるための時間も確保することができます。
次に、スケジュールも決めておけばなお良いと思います。1週間単位で書く部分を決めておき、その通りに進めれば期限に間に合わせることができます。
私の恩師の印象深い言葉があります。それは、「目次ができれば半分終わった」というものです。4年がかりの大きな研究プロジェクトの1年目に、ボリュームのある報告書を書こうと思って いたのですが、その相談をした時に頂いた言葉です。もちろん、目次を書くまでにはさまざまな試行錯誤があるので、それまでの負担は決して小さくありませんが、それでも半分というのは少々オーバーな印象がありました。しかし、振り返ってみると、あの目次があったからこそボリュームのある文章をスケジュールどおりに進めることができたのだと痛感しています。卒業論文や修士論文のような大きなプロジェクトについては、早めに目次を作っておくことをおススメしたいと思います。
しかし、あまり目次に囚われすぎるのも良いことではありません。むしろ、積極的に見直しや変更をかけても良いと思います。たとえ目次が早めにできていたとしても、その後いろいろな情報を収集したり、周辺から意見を求めたりして、新たな視点や知見を獲得することができれば、それらも反映したものにする必要があります。当初の構成とは変わる可能性がありますが、それは論文の進化だと捉えれば良いのです 。むしろ、そうしたことは普通に起きるものですし、正常なプロセスだと考えています。どのような進化が起こるのか、ワクワクするような気持で取り組むのも1つの方法ではないでしょうか。