日曜コラム「マイ・オピニオン」第31回:今年1年を振り返って
早いもので、今年の日曜日のコラムもこれで最後になりました。そこで今年1年をいろいろな角度から振り返ってみたいと思います。
何よりも、今年の大半は新型コロナウイルスの影響で、生活から仕事まで、あらゆる面で大きな制約を受けました。緊急事態宣言の発出により行動がほとんど取れなくなり、その後はGoToトラベルなど経済活動を戻していく動きも出てきましたが、現状は第3波の到来により再び行動の制約が強化されています。
今年のはじめ、まだ新型コロナウイルスの報道がそこまで大きく多くなかった時に、福井で先生方と「新型コロナは大したことないのに、なぜそんなに恐れているのか」などと話していたのが数か月前のこととは思えないほど、現在は大きく状況が変わってしまいました。
その後、東京オリンピックも延期されました(私はチケットが当選しなかったので、またチャンスが出来るのかなという気持ちもありますが…)。特に、アスリートの方々はモチベーションの維持にかなり苦労されているのではないかと思います。私のゼミ生も今年の公務員試験がたびたび延期され、モチベーションの低下を訴えるケースがありました。就職活動全般にも大きな影響があったように思います。
大学の授業もほとんどがオンラインとなり、学生とのコミュニケーションが少し希薄になってしまいました。特にゼミの運営では初めて顔を合わせる学生も多く、例年に比べると十分にコミュニケーションが取れていない状況です。また、学生同士のチームワークもやはり取りづらかったところがあります。来年度も何らかの形でオンラインが残るとすれば、今年の課題を洗い出して、次に繋げていく必要があると考えています。
もちろん、オンラインは悪いことばかりではありませんでした。普段の授業では難しかった点、学生との質疑などはしやすくなった面もあります。また、学生もそうですが、場所に縛られることなく通勤や通学の負担が大幅に減ったところは、オンライン授業のメリットだと思います(負担が減った分、体重は増えてしまいましたが…)。こうした事態になって初めてオンラインの良いところに気がつくことができたので、今後はオンラインと対面の良い点をそれぞれ生かしたミックスの授業スタイルが必要になってくるのではないかと思います。
次に研究の面では、久しぶりに著書『原子力発電と地域資源』を晃洋書房から出版することができました。東日本大震災から間もなく10年を迎え、福島の復興もまだ道半ばというところですが、国内の原子力発電所立地地域も震災から大きな影響を受けています。人口の減少や経済活動の縮小などが見られているので、新たな活性化のための方策を提示したものです。今後はそれぞれの地域について分析をさらに深め、具体的な提言などを打ち出していければ良いと考えています。
ほとんどの方が新型コロナの影響を受けられたのではないかと思いますが、とにもかくにも今年も間もなく終わります。来年が少しでも良い年になるよう自分なりに頑張っていきたいと思います。皆様もどうぞよいお年をお迎えください。