金曜コラム「文章、プレゼンの基礎」第12回:段落づくりのポイント

 学生のレポートを見ると、段落をまったく作らないものと、一文ごとに段落にしているものを目にします。段落の作り方でみれば、どちらも極端なパターンです。 もちろん、読む方にとっては、どちらも読みにくいレポートです。

 おおよその目安としては、200~300文字くらい、3~5つの文章くらいで1つの段落を作った方が良いのではないでしょうか。もちろん例外はありますが、おおよその目安として持っておいてほしいところです。

 段落には3つの役割があると思います。まず、段落は内容の塊となります。「パラグラフ・ライティング」という言葉がありますが、1つの段落には1つの内容が記されます。具体例などを交えながら、段落の中に内容を収めるのです。したがって、段落が変わることで議論も展開していくことになります。

 第2に、段落は読む側のリズムづくりになります。先の「パラグラフ・ライティング」が議論の展開になるのは、書く方だけでなく読む方にも当てはまります。しかし、1つの内容を書くために文字数をどうしても多く使わざるをえないこともあります。そこで、内容が変わらなくても一定の文字数になった時に段落を変えることもあります。「パラグラフ・ライティング」の決まりから外れますが、読む方にとっては段落の文字数が多くなると疲れてしまうこともあるので、段落を変えることもあります。

 そのため、段落が変わった時に「パラグアイが変わったのか?変わってないのか?」を見極める必要があります。どちらも外見では区別ができないので、読む方は考えて見極める必要があります。

 第3に、段落は書く方にとっての進捗管理になります。長い文章は完成までに何日もかかります。テーマや構成などをある程度設計して、少しづつ書いていくというスケジュール管理が必要です。段落は、最も小さな構成単位(パラグラフ・ライティング)なので、どこまで書き進めたかを段落によって把握し管理することができます。

 このように、段落づくりは読む方にとっても書く方にとっても、また読む時だけでなく書く時にも役立つものなので、段落づくりを上手に活かしてほしいと思います。

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