水曜コラム「今週前半のニュース」第8回:住民税の値上げは妥当か?

 今週前半も多くのニュースにコメントをしましたが、今回は次のニュースを改めて取りあげたいと思います。

 コロナで「密」気になる・投票所減少…ネット投票なぜできない?

 このニュースについて、私は次のようにコメントをしました。

 行政のDX化に電子投票も位置づけられるだろう。

 市町村の職員にとって、選挙は一大行事です。住民(有権者)から見れば入場券を持って投票所に行き、票を入れれば終わるのであっという間のことですが、職員は投票所の運営から開票までを含めると早朝から深夜まで従事します。しかも、非常に神経を使って、公正な選挙としなければならないので、体力も気力も消耗します。これまで経験した仕事のなかで、最も大変だったのが選挙でした。

 ネット投票が実現すれば、特に開票作業は一瞬で終わるでしょう。投票用紙に書かれている名前を一枚一枚確認しなくても良いですし、数える必要もありません。名前が読みにくかったり間違えたりすることもないので、驚くほど簡単に終わると思います。

 ネックになるのは、記事にもあるように投票の際の本人確認です。しかも、今回の記事は密を避けるためのネット投票の可能性について述べているので、自宅でも投票できる仕組みを想定外しているものと思います。

 現在は、指定された投票所に出かけて、入場券が本人のものか確認して投票しています。投票所に機械を持ち込んでボタンを押す形で投票するスタイルならば本人確認は今のままでも良いかもしれませんが、自宅でも投票できるようにするにはネットを使って本人確認をしなければなりません。記事ではマイナンバーカードを想定していますが、まだまだ普及していないので当面は投票所の密を避けるまでには至らないでしょう。有権者からすればあっという間に終わる投票のためにマイナンバーカードを取得することは考えにくいですし、これまでの投票業務に新たな方法が加われば職員の負担も増えてしまいます。

 とはいえ、やはり現在の投票スタイルは原始的と言わざるをえません。どこかのタイミングで電子化・ネット化を進めていかなければならないでしょう。恐らく、選挙単体では推進力になりにくいと思いますので、他の業務を軸にして、付加的に選挙業務も電子化・ネット化していく方策になろうかと予想します。

 長らく既存のスタイルにて慣れてきた身なので容易に想像できないのですが、これから着実に進む行政のDXのなかに間違いなく選挙も位置づけられていくでしょう。

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