日曜コラム「マイ・オピニオン」第44回:今年度もよろしくお願い申し上げます

 いよいよ新年度を迎えました。今週からガイダンスや講義などが始まる予定で、授業の準備を進めているなかで、新年度を慌ただしく迎えることになりました。また、入社式や入学式の様子などをニュースで見ても、新年度に入ったことを実感します。

 私自身、今年度はいろいろな意味でハイブリッドなバックグラウンドになったと感じます。まず、大都市圏と地方間に居住する期間がほぼ半分ずつになりました。幼少期から大学を卒業するまでは大都市圏で過ごし、就職を機に地方圏に移住しましたが、再び大都市圏に戻ってきて現在に至っています。それぞれのエリアで暮らした年数がちょうど同じくらいの期間になり、それが1つ目のハイブリッドになります。

 2つ目は、地方公務員であった期間と大学教員の期間がちょうど同じになりました。大学を卒業した後、地方公務員として14年間勤務しましたが、その後大学に転職し、福井県立大学に10年間勤務しました。その後、現在の東洋大学に移って4年経過しましたので、地方公務員と大学教員それぞれ14年になります。

 この2つのハイブリッドは、ある意味で自分の「強み」だと思っています。地方創生への関心が非常に高まっていますが、大都市圏から見る地方創生と地方圏から見る地方創生は大きく異なっています。なぜなら、地方創生とは地方圏から大都市圏に流出する若年層をいかに抑制するかが大きなテーマなので、「地方=奪われる側」「大都市=奪う側」という対立構造にあるからです。しかし、地方創生は大都市圏と地方圏が同じ目標を持ったなければ進みません。その意味で地方創生をめぐる両者の接点を探り、それを軸に地方創生を模索していくことが重要だと思います。私が大都市圏と地方圏で半分ずつの期間を過ごした経験は、両方の視点を1人で持っているという点で「強み」になっていると思います。

 地方公務員と大学教員のハイブリットも同様です。私は大学でも地域の政策を中心に研究をしています。一方、地方公務員は政策を実践する場です。したがって、私の立場は公務員として地域の政策を実践することと、研究として専門的に捉えることの両方をできる立場にあることになります。大学の研究にもいろいろなテーマがありますが、私の経歴上、研究によって提起された政策は実践されてこそ意味があると考えているので、私が両方の立場にあることは大きな「強み」になっていると思います。

 これらの意味で今年度はハイブリッドな時期になるので、それを記念して? 新しい取り組みを進めていきたいと思っています。その全容はこれから少しずつ紹介していきたいと思いますので、今後ともこのサイトをご愛用くださいますようお願い申し上げます。

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