金曜コラム「文章、プレゼンの基礎」第25回:話す時は慌てず、冷静に自分を見つめる

 今週から授業が始まりました。久しぶりに学生の前で話すのを嬉しく感じるとともに、心なしか緊張もしています。しばらくはペースを取り戻すのに時間がかかると思いますが、徐々に慣れていきたいと思っています。

 同時に、自分の話し方を常に直したいと思っています。理想とする先生もいて、先生のテープを時々聞いたり、モノマネなどもしてみたりと、外から見るとおかしなこともしています。しかし、まだまだ到達していないのでいろいろな修正を模索しているところです。

 結局、本番を積み重ねていくしかないのですが、話しながら言葉をひねり出すために頭も回転させているので、加齢による衰えもあるようです。自分の思ったとおりに話せないことも、やはり起こることがあります。しかし、そうなると落ち着きが失われてしまい、ついつい早口になってしまったり発音が乱れてしまったりして、学生には聞き取りにくくなっているのではないかと感じます(後で音声を聞いてみると、必ずしもそこまでひどくはないのでホッとするのですが、 やはり自分が思ったとおり話せない時の気持ちは平穏ではいられません)。ひどくなると、自分で何を話しているのかできなくなるほどコントロールが効かなくなることもあります。

 こうした経験は誰しもあるのではないかと思いますそれを克服するためにはとにかく慌てないことを心がけるしかありません。自分がどのような状態にあるのかを自分で確認する作業が必要になります。つまり、聞く側から自分を眺めてみるのです。そうすると、「あー、自分は慌てているなぁ」とか「あー、今の話はとても面白いなぁ」など、自分が話していることにもかかわらず聞く側の反応もできるようになり、落ち着きも取り戻すことができるのです。

 ※なお、このように自分を客観的に見る力のことを「メタ認知」と呼ぶそうです。ビジネスにおいて大変重要な能力と言われていますので、関心がある方はメタ認知について調べてみてください。

 もちろん、繰り返し練習をして不安を少しでも和らげることも必要ですが、何度繰り返しても本番では想定外のことが起きるものです。そうした時の手段として、聞く側に立って冷静さを保つ、ということを心がけてみてください。

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