日曜コラム「マイ・オピニオン」第45回:松山英樹選手のマスターズ優勝の大きな意味

 以前も関連の投稿をしましたが、松山英樹選手のマスターズ優勝、本当におめでとうございます。3日目に猛チャージで単独トップに立ったことで俄然優勝への期待が上がったのですが、後半は苦しかったものの何とか逃げ切って優勝しました。今も余韻に浸っています。

 ゴルフのメジャートーナメントで日本人が優勝するのは男子では初めてです。女性では渋野日向子選手が全英女子オープンに優勝して一大フィーバーを巻き起こすなど2勝をあげていますが、男性では初めてです。

 松山選手のメジャー大会優勝は、決して偶然、不思議なことではありません。かつて世界ランク2位にまで上りつめましたし、これまでも優勝のチャンスは何度もありました。例えば、2017年の全米プロでは最終日に一時トップに立ったものの後半に崩れてしまい、優勝できませんでした。やはりメジャーのプレッシャーは次元が違うのでしょうか、試合後のインタビューでは話の途中に座り込んでカメラの前で泣いているのを見て、悔しさが伝わってきました。

 ここ数年は優勝していませんでしたが、今回のマスターズでの優勝は、本当に待望の瞬間でした。もちろん個人としても大きな目標だったと思いますし、日本のゴルフ界にも偉大すぎる歴史を切り開いたと思います。

 私がマスターズを見るようになって30年になりますが、日本人の最高位は4位です。ただし、優勝争いに食い込んでの4位ではありません。かつて日本の選手がマスターズに出るには、日本で賞金王になって招待されるくらいで、毎年1人か2人しか出ることができません。そして、前の週くらいからアメリカに渡り、試合に出たり練習したりしてマスターズを迎えるのですが、予選に通るかどうかハラハラして中継を見ていたことが多かったと思います。予選を通過しても、ほとんど20位台とか30位台の結果で終わっていました。トップテンに入った選手は、ほんの数名です。

 野球やバスケットボールもそうですが、日本人が海外のチームや試合に出場するようになってきたのは最近のことです。なかでも、ゴルフは早い方だったのですが、後になかなか続きませんでした。かつては、青木功選手が1983年のハワイアンオープンで、最終ホール奇跡のショットで優勝を果たしました。その後、丸山茂樹選手も何度か優勝し、アメリカで確固たる地位を築きました。ただ、2人とも日本での華々しい実績をひっさげての進出なので、若い頃からではありません。松山英樹選手はプロ入り後すぐに日本の賞金王になり、そのままアメリカに拠点を移しました。今回のマスターズも、20代最後にして10度目の出場です。

 ゴルフは個人競技で、日本を拠点にしてメジャートーナメントだけ遠征するパターンが多かったのですが、やはりコースの特徴や攻略法など海外のスタイルに慣れていなければなかなか攻略できません。また、自然体でプレーするためには他の選手に溶け込んでいる必要もあるでしょうし、観客を味方につけるには海外での知名度が必要です。これらの要素が揃って、初めてメジャートーナメントで活躍できるのだと思います。

 なお、4大メジャートーナメントのなかでマスターズは唯一コースが変わらないので、過去の出場経験が活かせます。20代で10回出場してきたことも、優勝の背景にあったのではないでしょうか。

 松山選手の優勝は、なでしこジャパンのワールドカップ優勝、ラグビーワールドカップでの日本の活躍、大坂なおみ選手のテニスのメジャー大会優勝、渋野日向子選手の全英女子オープン優勝など、日本のスポーツはこれまで大きな実績を残して来た輝かしい実績に匹敵するものと思います。松山選手は「日本人でも優勝できる、将来は子どもたちとメジャートーナメントで優勝争いをしたい」とインタビューで述べていましたが、間違いなく今回の優勝で松山選手に続く日本人選手が出てくると思います。

 私のゴルフクラブは物置に眠っていますが、久しぶりに出してみようかと思います。

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