木曜コラム「公務員の仕事」第46回:人事異動は成長のチャンス

 公務員には数年単位で人事異動があり、様々な部署に配属されます。公務員の仕事は本当に幅広く、特に地方公務員の場合は転職に近いほど異なる仕事をすることがあります。

 例えば、財政部門は予算の編成をしますが、できる限り費用を抑えつつ効果を発揮するための「査定」を仕事としています。それが、人事異動で教育部門の所属となった場合は、子供たちの成長に様々なサービスを提供することになり、出来る限り費用をかけて子供たちの成長を支える仕事に変わります。つまり、端的に言えば「お金を削る側」から「お金を使う側」に仕事が変わるのです。財政部門にいるときは常にコスト計算をするので何事に対しても「無駄はないか」に心を配ってきましたが、教育部門に変わると「できる限り最大限のサービスを提供する」方に心を配ることになります。なんだかこれまでの仕事を否定するかのような変化ですが、与えられた使命を果たすのが公務員の仕事なのです。

 ところで、公務員を目指す人は「公務員になってどんな仕事をしたいのか」イメージを持っていると思います。そのイメージが強いほど公務員になりたい気持ちも強いと思いますが、地方公務員の場合は様々な仕事があり、人事異動が定期的にあるため、どんな仕事をするかは分かりません。自分の望む仕事ができる場合は良いのですが、そうでないことも人事異動を繰り返していけば必ず起こるのです。その時に、どのような気持ちで仕事に向き合うかが問われると思います。

 どんな部署に所属したいか希望を伝えることができます。しかしすべての希望を叶えては組織として適切に機能しないこともあるので、希望が叶う保証はありません。むしろ、ないと思っておいた方が良いと思います。

 そこで、人事異動の季節になると自分がどの部署に配属されるのか不安を持つ人が多くあります。「現在の部署に残りたいけれども異動になるのではないか」「行きたくない部署に配属されるのではないか」といった不安です。

 もちろんそうした不安もあると思いますが、自分がどの部署に配属されるかは、むしろ楽しみでもあります。自分が期待も想定もしていなかった部署に配属されることとなった時、率直にショックな部分もあるかもしれません。しかし、実際に仕事をしてみると意外に面白いところがあるのもまた事実です。そうしたところに楽しみを見つけて、それを広げていく仕事を積極的にすることによって、その部署でのやりがいが生まれてくると思います。

 大学を卒業してから定年まで、40年以上の長い公務員人生です。おおよそ10前後の部署を経験することになるので、全てが希望する部署に配属されることはありえないと思いますし、全てが行きたくない部署であることもありえないと思います。長い仕事の中で、良い時もあれば良くない時もあると割り切って仕事に向き合い、良くない時は仕事の良いところを自分で進んで見つけて仕事のやりがいを見出すこと、つまり成長のチャンスとしていくことをススメたいと思います。

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