木曜コラム「公務員の仕事」第47回:新人公務員にとってのGW
新年度も早々と1ヶ月が経ちました。新人の公務員にとっては、すべてが新しい経験で嵐のように過ぎ去ったのではないかと思います。そうした中でのGWです。民間企業のように平日も合わせて長期連休になることはありませんが、いずれにしても新人職員にとっては初めての大型連休となります。この期間を有効に活用して、公務員としての基盤を固めてほしいと思います。
まず、この1ヶ月をもう一度振り返ってみると良いでしょう。新採用の職員研修では、地方自治制度や予算の仕組み、決裁や会計のルールなどについて学んだと思います。ただ、短期集中で行われるので、かなり省略されているのではないでしょうか。テキストや資料などは充実しているけれども、講義で聞く範囲はわずかだと思います。
そこで、研修で使われたテキストなどをゆっくり読み、復習してほしいと思います。これから仕事をする上で大切なことはたくさんあります。おそらく先輩が教えてくれるでしょうが、できれば一通り身につけておきたいところです。
次に、初心にもう一度立ち戻ることです。1ヶ月経って振り返ると「意外に仕事がこなせた」と感じるのではないでしょうか。それは仕事への自信につながるので望ましいことでもありますが、ついつい「仕事ってこの程度か」と過信してしまう場合もあります。しかし、それは新人に与えられる仕事だから難しい仕事はないのです。アルバイトでも同じですが、少しずつ難しい仕事にチャレンジしていくことになります。その時に、過信した状態だとカベにぶつかってしまい、かえって急激に自信を失ってしまいます。
GWはこれまでの仕事を振り返り、もうもう一度初心に返って謙虚さと向上心ある仕事のための心の整理整頓をしてほしいと思います。
最後に、家計を確立することです。公務員試験を受ける時に初任給や手当の仕組みは調べていると思いますが、残業や特殊勤務手当などのプラスや税金・社会保険料などのマイナスまでは入ってもないと分からないので、結果として手取りがどのくらいかは給料をもらって初めて分かります。4月の給料を貰うと、どのくらい自分がお金を使っても大丈夫なのか、どのくらい貯金ができて、大きな買い物(車の購入や海外旅行など)がいつごろできそうかも予測できるようになります。
そこで、GWは収支計画を立てる期間として使ってほしいです。公務員は一定水準の仕事が求められるわけですが、家計は実にバラバラです。外で飲むのが好きな人、パチンコや競馬に大金をつぎ込む人、支出を切り詰めてたくさん貯金する人など、いろいろな人がいます。公務員だからといってギャンブル禁止ではありません(もちろん合法の範囲ですが)。
遠い将来まで見通すことは難しいかもしれませんが、この1年間だけでも収支計画を立てておくと、ある程度の楽しいことも経験しながら無駄な出費も抑えて貯金することもできるでしょう。ぜひ、短期でも収支計画を考えてるみてください。
社会に出ると1ヶ月はあっという間に過ぎたのではないでしょうか。しかし、間違いなく大きな一歩であったと思います。この1ヶ月を進化させながら積み重ねていくことになります。GWは、これから何度も訪れる1ヶ月をさらに有意義なものにする絶好のチャンスです。緊急事態宣言で外出などが制約されていますが、だからこそ、ここで述べたことにじっくりと取り組んでいただくことが必要ではないかと思います。