水曜コラム「今週前半のニュース」第18回:こどもの日を「少子化を国民全体で考える日」に!

 今週前半も多くのニュースにコメントをしましたが、今回は次のニュースを改めて取りあげたいと思います。

子供の推計人口、初の1500万人割れ…年齢区分低いほど人数少なく

 このニュースについて、私は次のようにコメントをしました。

 少子化を食い止めるには至らず、ますます加速している状況。成果と課題をしっかり検証して…などと言える時間さえなくなりつつある。

 今日は「こどもの日」で、ゴールデンウィークも最終日です。しかし、緊急事態宣言のため特に何の行事もなく、在宅勤務の延長のような形で日々を過ごしています。雨も降っているので、なおさら不要不急の外出をする雰囲気ではありませんでした。

 この記事では、少子化がますます進んだことを報じています。すでに子どもの数は40年連続で減少し続けているので、今さら驚くことではないのですが、今後は新型コロナウィルスの影響もあるのか特に子どもの数が激減してくるように思います。

 この記事ではありませんが、2020年の婚姻数が減り、出生数も過去最小でした。交流や出会いの機会が減ることは、外食や小売など経済への即時的な影響ももちろんですが、長期的な日本の人口構造にも影響を与えます。かつて1966年には「ひのえうま」の影響で出生数が25%もの激減となりました。新型コロナウィルスが一時的だったとしても、少子化への影響は続くのではないかと感じています。

 「少子化に歯止めがかからない現状」と記事には述べられていますが、「少子化がますます加速し、これからも続きそう」のが正しいのかもしれません(そうならないように希望しますが…)。

 合計特集出生率も2019には1.36となり、それまで1.4を持続していた状況から落ち込みました。今後、1.8まで高める(希望出生率)と打ち出しているだけに、伸び悩んでいることにはヤキモキしていましたが、むしろ下がってしまったことに衝撃を受けました。

 少子化に関しては、さまざまな研究があり、興味深い知見も出ています。しかし、なにしろ時間がありません。子どもの数が減れば、彼らが出産期を迎えても親の数が少ないことになるので、出生率がいくら上がっても子どもの数は増えません。しかも、1.8の水準も遠いですが、あくまで通過点です。人口を維持するためには2.07が必要で、政府もそれを長期の目標に据えています。ここまで上昇するかどうか疑問もありますし、いつ到達するかによっても安定する人口規模が変わります。

 このように、少子化は長期の取り組みなのですが、じっくり構えている余裕はなくなりつつあります。人口とともに税収まで減少していくなかで、有効な政策を打ち出していかなければならないのですが、有効性を検証する時間もない状況に来ています。

 毎年この時期は必ず少子化を思い知らされることになります。そこで、「こどもの日」を、子どもの成長を祝うと同時に国民全体で少子化を考える日としてはいかがでしょうか。効果は小さいかもしれませんが、少子化への取り組みがさらに進むことを期待します。

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