水曜コラム「今週前半のニュース」第21回:住民への一律現金給付をどうみるか

 今週前半も多くのニュースにコメントをしましたが、今回は次のニュースを改めて取りあげたいと思います。

選挙公約「10万円給付」の丸亀市長…5万円に減額発表 香川

 このニュースについて、私は次のようにコメントをしました。

 地元経済をどこまで底上げできるか、他の方法よりも効果が高いのか、説得力ある説明がなければ「バラマキ」と言われても仕方ない。

 記事を読む限り、「10万円給付」の公約は選挙での当選を獲得するために打ち出したような 形になっています。そのため、当選した直後に重要な公約を覆したのは、深刻な約束違反と言われても仕方がありません。こうした場合には、住民の署名を集めてリコールを請求し、住民投票で退職を求めるするようなことも考えられます。署名の偽造で問題となっていますが、愛知県知事のリコールと同じ形です。

 しかし、これが果たして「公約」と言えるのかは、きわめて疑問です。記事にもあるように「バラマキ」ですし、しかも「現金」です。「有権者の買収ではないのか?」という意見も聞きます。

 もちろん、政策は「最小の経費で最大の効果」が求められるので、現金の支給が「最小の経費で最大の効果」となるのであれば、一考に値するかもしれません。しかし、昨年、国が国民に一律10万円を支給した際に、支出に回った分は少ないことが分かりました。困っている人はすぐに支出して生活に充てると思いますが、一部の人を除いて「今後のことも不安」という心理から支出に至らず貯蓄に回ったようです。今回も同じような結果が想定されているのであれば、一律支給が必ずしも最適とは言えないかもしれません。

 ただし、記事によると財源は競艇事業の収益増加によるものだそうです。 新型コロナによる巣ごもりが収益につながったと述べられています。新型コロナの影響は業種によって異なるようなので、財源を考慮すると所得の再分配のような要素もあると感じます。

 ただ、それならなおさら一律よりも困窮している世帯に絞った方が良いでしょうし、また、ワクチンの接種が進めば本格的に回復モードに入っていくと思いますので、新たな段階での対策も必要になるでしょう。そのための財源も確保しておくことが必要ではないでしょうか。

 このように考えると、今回の記事は新型コロナ対策と経済の経過と展望を踏まえて政策の全体像を示し、そのなかで住民への一律支給をどう位置づけ、地域経済にどう影響するのかを明確にしておく必要があるのではないかと思います。つまり、中長期の視点を持って政策パッケージとして捉えたうえで「最小の経費で最大の成果」をめざす必要があると思います。

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