金曜コラム「文章、プレゼンの基礎」第20回:リモートで話す時は、相手のイメージと目線への配慮が必要
オンラインでの仕事が今なお続いていますが、プレゼンテーションもオンラインで行う機会が増えています。私も今年度の講義は大半がオンラインで、来年度もオンラインが多くあります。対面とオンラインでは講義の注意点も異なるので、これをプレゼンテーションに当てはめてみることで、オンラインでプレゼンテーションをする場合のポイントについて考えたいと思います。
まず、聴衆のイメージです。対面の場合は複数の聴衆に話すのですが、前のめりに聞いてくれる相手を探して、そこに向けて話しかけることが良い、と以前の投稿で述べました。ですが、オンラインのプレゼンテーションでは、画面に向かって話すので誰がどのくらいの姿勢で聞いてくれているのかが分かりません。確かに講義で寝ている学生がいるとテンションも下がるので、オンラインでは寝ているかどうかも分からないことは良いのかもしれませんが、いずれにしても聴衆の姿が見えないために、ラジオのDJになったような気分になります。ラジオもアシスタントの方やコンビの相方に話しかけるパターンがあるので、そのやりとりがコミュケーションになりますが、オンラインのプレゼンテーションではそれさえもできません。そうした状況で、話しかける、伝えるといった雰囲気をどのように出せば良いでしょうか。
私は、聴衆の参加を対面よりも増やすことが大切だと思います。対面の場合は手を挙げてもらうこともありますが、あまり多く挙がらないと思います。これに対して、オンラインの場合は周りの状況を気にする必要がないので、積極的に参加してくれます。アプリにもさまざまな反応の絵文字が用意されていますし、アンケート機能なども使うこともできます。このように、聴衆の反応を促す機会を増やし、それに答えながらプレゼンテーションを進めると、より伝わるのではないかと思います。
もう1つは、目線の高さです。ノートパソコンをデスクに置き、椅子に座ってパソコン内蔵のカメラで顔を写すと、必ず目線が下向きになります。これは、画像を見る側からすれば見下されている形になるので、あまり良くありません。カメラの位置は目線と平行か、もしくは少し上を見る感じにカメラを上にセットしておくと良いと感じました。パソコンを上に置くのは難しいですが、外付けのカメラを上に設置したり、デスクにパソコンを置いて椅子ではなく床に座る形にすれば、上向きになります。床に座ると失礼な印象に見えるかもしれませんが、背景次第だと思います。私の場合は、部屋の小物が映らないように気をつけています。年齢のせいもあって、床に座った方が長時間の講義も体への負担も少なくて楽です。
以上、すべての方に参考になるかどうかは分かりませんが、こうしたことに悩みを持っている方のヒントになれば幸いです。