水曜コラム「今週前半のニュース」第16回:就職先としての公務員の人気を考える

 今週前半も多くのニュースにコメントをしましたが、今回は次のニュースを改めて取りあげたいと思います。

 22年卒の大学生が“就職したい企業・業種”ランキング 3位「Google」、2位「国家公務員」1位は?

 このニュースについて、私は次のようにコメントをしました。

 公務員人気は相変わらず。国家公務員総合職の志願者は激減しているが、公務員全体では依然として好まれている。

 国家公務員総合職の志願者数今年激減したというニュースもありましたが、就職先のランキングとして国家公務員や地方公務員の人気は相変わらず高いことが分かりました。就職先のランキングは企業の対象としたものが大半ですが、この調査は公務員も含まれていることに特徴があります。結果から分かるように、国家公務員と地方公務員でワンツーフィニッシュとなっており、4割の回答率と極めて高い人気であることがわかります。しかも、下位にはGoogleやアマゾンといった、いわゆるGAFAMを始め、ソニーやJRなど日本の代表的な企業も入っています。それらを差し置いてのワンツーフィニッシュなので、公務員の人気が極めて高いことが伺えます。

 それぞれの企業や業種を選択した理由については、地方公務員が「収入が安定しているから」「地元に貢献したい」、国家公務員は「安定しているから」「国に貢献したい」、グーグルは「収入が多そうだから」「知名度が高いから」といった回答だったそうです。

 確かに国家公務員の総合職に関しては志願者数が激減したのですが、他の職種は安定性や国地域への貢献などが選好されているようです。

 私は、公務員の安定している長所を生かして、国や地元にさらに貢献してもらいたいと思っています。なぜならば「安定している=クビにならない」ということが、「仕事が楽」というイメージに結びついているように思われるからです。つまり、あまり仕事をしなくてものんびり仕事をして、給料が保障されているように思われいて、公務員の人気とともに過剰なバッシングにもつながっているように思います。

 これからの大きな変革の時代には、安定していることがチャレンジしやすい環境として大いに役に立つのではないかと思います。民間企業の場合は失敗が企業の崩壊につながる可能性もあり、その中でリスクをとりながらも様々なチャレンジをしています。場合によってはチャレンジを躊躇してしまうこともあるかもしれません。しかし公務員は安定しているからこそチャレンジできる状況なのであり、むしろもっとチャレンジしていかなければいけない立場にあると思います。

 公務員の人気が、これからの国や地域をさらに望ましい方向に進むための原動力になってほしいと思います。

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