公務員試験の勉強法:大学受験と公務員試験の大きな違いは「ピーキングの難しさ」
公務員試験の負担が大学受験に匹敵するほど大きいと言われているので、公務員試験の勉強法は大学受験にも通じるところがたくさんあります。しかし、完全に同じわけではありません。今回は、大きな違いとして公務員試験にはピーキングの難しさがある、ということを述べたいと思います。
ピーキングの定義は次のとおりです。運動選手などが、大切な大会へ向けてコンディションを最高の状態にもっていくように、調整すること。また、その調整法(参照リンク)。
このように、ピーキングとはスポーツ競技で使われることが多い言葉ですが、目標とする大会を試験の本番と置き換えれば、試験の日に最高のコンディションを持っていくことは公務員試験でも大切なことが分かります。
次に、公務員試験のピーキングが難しいことを、大学受験との違いから考えてみましょう。大学入試の本番は、1月の共通テスト、2月の私学・国公立と続き、おおよそ1~2か月かかります。試験本番が集中するので疲れるものの、緊張感と集中力が途切れることなく必然的に続けざるを得ない状況になります。
一方、公務員試験は4月から国家公務員が始まり、内定が出るのは8月でも早い方です。遅ければ、年末までかかることもあります。したがって、4~8か月もの長期間にわたって試験本番が分散することになります。しかも、1次試験を終えると2次試験までの期間が長く空いたり、異なる公務員試験の1次と2次がほぼ同時に進んだりする、ということもあります。前者の場合には、1次試験の後に「まず大きな本番が終わった」という感覚になり、いったん試験の重圧から解放されて2次試験への切り替えがスムーズにいかないケースが出てくるのです。また、後者の場合には、いろいろな対策を同時に進めなければならないため、頭の整理や時間配分が難しいケースが出てきます。いずれにしても、迫る試験本番に自分のピークを合わせることが、大学受験と比べて困難になるわけです。
こうした困難を克服するには、1次試験が終わり解放される期間を予め決めておき、その間はしっかりリフレッシュをして、終われば再び試験モードに切り替える、という意識を持っておくことが必要でしょう。そうでなければ、いつまでもリフレッシュから抜けられなくなって試験本番にピークを持っていけなくなってしまいます。
また、複数の試験が同時並行で進んでいる場合は、上記の期間を活かすことである程度は乗り切れるでしょう。つまり、1次試験が終わった後できるだけ早めに2次試験の準備を進めておくことです。1次試験の合格を知った後、2次試験までの時間は意外に少ないものです。1次試験に合格しているか自信がない場合に、結果を知るまで2次試験への準備が進まない、といったことがあります。しかし、合格してから気持ちの切り替えが進まず準備が間に合わず2次試験を突破できない、というのはもったいないです。1次試験の結果が出る前でも合格した想定で2次試験への準備を進めておくのが良いと思います。