水曜コラム「公務員の学び」第7回:「地方公共団体」ではなく「地方自治体」の気概を

 都道府県や市町村は法令上「地方公共団体」と表記される。しかし、私たちが日常的に使っているのは「地方自治体」という言葉である。使う場面は異なるものの、どちらも同じものを指している。

 ふだん、私たちは言葉を意識して使い分けているわけではない。どちらの言葉も無意識に使っているようにと思う。

 しかし、ある先生の講演で伺ったのだが、その先生は「地方公共団体」という言葉は絶対に使わないのだと言う。何気なくであっても、地方公共団体という言葉を使うと「地方は自治の主体である」という気概を失ってしまうから、ということである。

 法令上は「地方公共団体」が使われる。この言葉からは「自治の主体」という印象はない。そのため、国は日ごろから「地方公共団体」という言葉を使っていると、地方を自治の主体として意識しないかもしれない。地方の側も、自らが同じ言葉を使っていては、同じ意識になってしまうだろう。そこは、あえて地方自治体という言葉にこだわりを持つべきだ、という先生の強い言葉に、大いに感銘を受けた。

 研究者は基本的に冷静かつ客観的に事態を分析・考察し、何らかの見解を示すものだと思う。しかし、その推進力となるのは、やはり研究対象に対する熱い思いであろう。地方自治体という言葉にこだわることは、研究者の高いプロ意識の表れとも言える。

 地方公務員もまた、仕事の中で法令に接することは多いかもしれないが、地方公共団体という言葉に違和感を感じながら接し、自らは地方自治体の職員として自治を志す熱い気概を持つ必要がある。

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