日曜コラム「マイ・オピニオン」第8回:GoToキャンペーンをめぐる混乱

 昨日の投稿でも取りあげたが、今日もGoToキャンペーンを題材にして意見を述べようと思う。
GoToキャンペーンについては以前から計画はされていたのだが、当初は新型コロナの蔓延が落ち着いてから行われることとなっていた。それが、緊急事態宣言が解除されていよいよ活動を本格化するモードに突入して間もなく、東京都を中心に新規感染者数が大幅に増加したのである。

 また、GoToキャンペーンを8月に行う予定で進められていたものが7月下旬から始めることに前倒しされ、すでに旅館等にも予約が入り始めていた。そうしたなかで、人々の不安が高まり、GoToキャンペーンへの政府の前のめりな対応に賛否が巻き起こった。結局、政府があわただしく対応しているなかで、東京発着だけが対象から外されたのである。

 このことに対して、GoToキャンペーンに賛成と反対双方の立場から異論が出た。反対の立場は、東京だけを対象外にしてもなお不安を感じている。毎日新聞の報道によると、東京以外も見送りを必要と考えている人は7割にも及んでいるというから、まだ納得していないのであろう。賛成の立場でも、予定を急きょキャンセルしなければならなくなり、受け入れる側は事業再開への期待が一気にしぼんでしまった。また、出かける側もキャンセル料がどうなるのか不安を感じている(補償の有無も揺れ動いているという)。

 もちろん、賛否両論はそれぞれの立場から出されているので、意見を交わすことは有益である。しかし、賛否の根拠となる情報が十分とは言えない。連日大きく報道されるのは新規感染者数だが、最近一気に増えたことで不安が高まった。しかし、政府は「ただちに緊急事態を再発出する状況にない」(「ただちに…ない」という官房長官の発言は、東京電力福島第一原発事故でも使われ、批判の的となった)と説明するものの、不安が解消されるには至っていない。新型コロナを「正しく恐れる」ことが必要とも言われるが(これも原発事故の時に使われた)、情報が不足していると正しい判断もできない。

 私も十分な情報と正しい判断力持ち合わせているわけではないが、こうした状況のなかでは根拠に乏しいため不安の方が強くなるのではないか。政府は国民の不安に真摯に向き合うことなくGoToキャンペーンにまい進しようとする一方で、国民の不安にただ動揺して納得を得られない対応をしようとした。GoToキャンペーンに賛成と反対双方の立場から異論が出たのも、ある意味で当然の帰結と言えるだろう。

 もちろん、十分な情報が提示されたとしても賛否両論は解消しないだろう。しかし、それでも政府に求められるのは、十分な情報開示と、賛否両論を受け止めたうえでの政府のブレない決断であろう。もちろん、状況は刻一刻と変わる。しかし、対応が変化しても判断基準が確立していれば、政府の決断に国民も順応しうるのではないだろうか。

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