金曜コラム(土曜日掲載)「文章、プレゼンの基礎」第9回:セリフは持っていても良いが、読まない

 プレゼンテーションの本番は、やはり緊張感があります。緊張しすぎると頭が真っ白になって話す内容が飛んでしまう、 といったようなこともあるかもしれません。また、リハーサルがあまりできていないと、話す内容が頭に入っていないため、不安も大きくなります。

 そこで、プレゼンの舞台で話す内容をすべて書いたセリフを持って、それを見ながら話す人も多くいます。私も最初の頃はそうしていました。
しかし、セリフの紙を持っていることじたいは問題ないと思いますが、あまり頼らない方が良いでしょう。

 極端な場合、紙に書かれた内容を ただひたすら読んでいる人もいます。しかし、これでは相手に話しかけることにならず、あまり伝わりません。 プレゼンテーションはスライドの内容とその場の話で伝えるものですが、目線すなわちアイコンタクトが実は大変重要で、コミュニケーションの大きな部分を占めています。そのため、ただ読んでいるだけでは目線が聴衆に届かなくなり、アイコンタクトによるコミュニケーションが取れなくなってしまいます。
プレゼンテーションをする人にとっても、聴衆とのアイコンタクトは重要です。自分の話のどういったどういった点に頷いてくれるのか、逆に、あまり反応がないのはどの話かなどを即座に知ることができるので、その場の雰囲気に合わせて話をアレンジすることができます。何度もそうした場を経験していると、アレンジのコツがつかめるようになってきます。

 もちろん、セリフを持って話すことを全く否定するわけではありません。話の途中にセリフを忘れてしまい、焦ることもあるでしょう。そうした時には、セリフを確認しても問題ありません。お守りのような存在になります。

 ただし、セリフを書いた紙はどうしても文字が小さくなります。そのため、話す内容を忘れてしまった時にセリフを見ても、どこに書いてあるか探すのに時間がかかってしまい、かえって慌ててしまうこともあるかもしれません。そうしたことを防ぐためには、大きな文字を書くことも1つの方法だと思います。しかし、それでも紙の枚数が増えてしまうので、探しにくいという点ではあまりメリットはないかもしれません。そこで、私はキーワードを並べた紙を持っておくことをおススメします。

 セリフを忘れてしまっても、キーワードを思い出せば話すべき内容を全部思い出すことができるからです。例えば、カラオケの曲で「これどんな歌だったっけ?」と忘れてしまっていることが多くあると思います。ですが、最初の歌詞が書かれていますよね。それを見ただけで、最初のメロディーを思い出して最後まで歌えるわけです。それと同じ原理で、プレゼンテーションのキーワードを順番に並べた紙を手元に持っておけば良いのです。自分がどこまで進んだのか、次にどの話をすれば良いのかを復元できるので、話を飛ばしたり間違えたりすることを防ぐことができます。しかも、ただのキーワードなので、読むということもありませんから、キーワードメモは二重におススメできます。

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