水曜コラム「公務員の学び」第22回:RESASを使いこなそう

 地方創生の一環として、国は地域経済分析システムRESASを提供しています。これは、人口の推移や産業構造、観光、財政など地方をとりまくさまざまなデータを収録し、必要なデータや分析を超効率的に行ってくれるシステムです。従来こうしたデータを使って分析をするには、かなりの手間がかかっていました。


①図書館などに行って統計書を探す
②該当ページをコピーする
③データをExcelなどに入力する
④見た目の良い図表を作成する

 これだけの手順です。図書館への移動やコピー代など、時間とお金もかかるものでした。

 最近でこそホームページが充実して統計書でなくてもデータが入手できるようになっていますが、②③④はこれまでどおりです。なので、以前に比べれば手間は半分くらいになったのではないかと思います。しかし、それでもまだまだ大変なところがありました。RESASは、この手間をさらに劇的に軽減してくれる画期的なものです。

 それは、特に②③④について、基本的にボタン操作だけで自動的に分析をしてくれるのです。どのデータを使いたいのかをメニューから選択すれば、見栄えの美しいグラフや地図を自動で表示してくれます。それをスクリーンショットでコピーして、資料に貼り付ければ完成です。

 このことの効果は、2つあると思います。1つは、誰でも分析ができるようになったことです。これまでは、分析の方法をある程度知っていないと大変でしたが、これからはボタンで選べばよいだけなので、非常に手軽に行うことができます。多くの人が分析した方が、さまざまな角度や問題認識を持って分析ができるようになるので、ものごとを多面的に捉えられるのではないでしょうか。

 もう1つは、これまでできなかったような分析ができるようになることです。これまでは手間がかかっていたので、「〇〇を分析をすれば△△という結果が出るのではないか」という予想を前もってしておき、それを確認するという形での分析が多かったように思います。しかし、これからはボタン1つで分析ができるので、とにかくいろいろ分析してみて、あっと驚くような発見が出てくるかもしれません。これまでに見えなかったことが見えるようになることで、新たな課題や解決策が出てくる可能性があると思います。

 このように、RESASは誰でも手軽に使うことのできる、大変優れたシステムです。多くの方に、使いこなしていただきたいと思います。

 ※実は、RESASにはこれまでにない統計データも豊富に収録されています。例えば、外国人観光客の消費構造や滞在地などのビッグデータです。今でこそ新型コロナの影響でインバウンドはほとんどありませんが、これからの観光政策には大変貴重なデータです。これらもぜひ活用したいものです。

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