水曜コラム「公務員の学び」第25回:客観的な分析の前に必要な「ビジョンと理念」

 前回までのコラムで、何度かRESASの紹介をしました。RESASは地域のデータ分析を短時間で効率的に行える大変便利な道具なので、いろいろな形で使うことのできる優れたツールだと思います。政策を考える公務員だけでなく、企業活動などにも役立てていただきたいと思います。 

 しかしながら、これはあくまでもツールです。つまり、RESASを使う前提として「何をしたいのか」「どのような地域の姿を求めているのか」ということを明確にしなければなりません。例えば、RESASで分析をする目的として「地域の人口減少を何とかして食い止めたい」ということがあるとすれば、人口減少の実態を分析し、その要因を探ることで、解決のための糸口が見えることになります。また、目的が「地域の人口が減少しても持続できる形を模索したい」ということであれば、これからどの程度の人口減少が進んでいくのか、特にどの地域(地区)で人口減少が進んでいくのか、それらの地域(地区)でどのようなサービスが提供されているのかなどを分析し、必要不可欠なものと縮小が必要なものを判断していくことになります。このように、「地域 をどのようにしたいのか」によって分析する内容や見えてくる課題などが大きく変わってくるのです。やみくもに何でもかんでも分析すればよい、というものではありません

 もちろんさまざまな角度からさまざまなデータを分析する方が、より地域の実態を捉えることができる場合もあります。しかし、分析するデータの種類が増えれば増えるほど、その地域を総括的に捉えることが難しくなることもまた事実です。例えば、ある地区では人口が大きく増えているのに、別の地区では人口が大きく減っているような時、その理由が必ずしも特定できなければ、いったいその地域をどう総括すれば良いのかが分かりにくくなってしまいます。「一概には言えない」ということなのでしょうが、それでは分析がこれ以上進まなくなることもまた事実なのです。そこで、分析には一定の割り切りも必要になると思います。もちろん、あまりに割り切りすぎると一面的、断定的ということになりますが、どのレベルまで分析を広げれば適切な分析になるのかは、分析する人の技量に委ねられていると言えます。

 RESASを使って分析する前に、その前提となる「ビジョンと理念」をしっかり持ちながら、適切なレベルの分析を行い、課題を明らかにすることが必要になります。

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