木曜コラム「公務員の仕事」第51回:公務員の朝
私が勤めていた頃の役所は、朝8時30分が始業時刻でした。多くの職員は8時15分頃に到着します。地方でしたので電車の遅延などはありませんでしたが、車の渋滞もありましたので少し余裕を持って到着していたと思います。都心の場合は鉄道の遅延で遅刻することもあると思いますが、電車が多少遅れても始業には間に合うよう、余裕を持って出る必要があるでしょう。
8時30分にチャイムが鳴りますが、それまでに仕事の準備をします。主にパソコンの立ち上げや、メールのチェックなどです。また、書類等は厳重に保管しているので、今日中に処理すべき書類を机から出しておきます。
この時点で、その日のスケジュールはおおよそイメージできるので、残業があるかどうか予想がつきます。仕事の量が多かった場合でも、「今日は残業しない」という強い動機があれば最初からハイペースで仕事ができて、残業しなくても終えられる時も多いです。朝の過ごし方は仕事でも大変重要です。
かなり早めに来ている職員もいました。「アサカツ」という言葉がありますが、早めに来ると電話がかかってきませんし気力もみなぎっているので、午前中の時間を有効に使うことができます。そうすると午後の仕事にも余裕が生まれが、かなり仕事がはかどるのです。早朝の仕事は超過勤務手当はつかないかもしれませんが、「時は金なり」です。早く仕事を終えて夕方と夜を充実させた方が良いと思います。また、早く来ていると周囲から「頑張っている」という印象も与えられるので、職員としての信用も高まるのではないでしょうか。
8時30分になるとチャイムが鳴り、仕事が始まります。多くの部署では朝礼があるります。学校の授業のようですが、当番が「起立、礼」と声をかけて挨拶します。職場のデスク配置ですが、課長の机が職員の方を向いているので、課長に向かって挨拶するイメージです。その際、今日の主な予定なども報告します。併せて、当番の職員が「今日のニュース」とか「日頃考えていること」などを述べて、課長からのコメントがあるような朝礼もあります。職場ごとに続いている形式や課長が求める形式で開催されるようです。
私の場合、簡単な挨拶だけで済んだ時期と、担当職員が一言話をした時期、結構時間をかけた時期など、実にさまざまです。私も時々役所に朝一番で出かけると、かつて朝礼に参加した時のことを思い出します。今なお朝礼は職場の結束とコミュニケーションを図る良い機会になっていると思います。