金曜コラム「文章、プレゼンの基礎」第3回:構成ができた時点で、すでに半分出来ている
文章を書く時、文字数の多さにビビッてしまうことがあります。大学のレポートは1,000文字~5,000文字くらいかと思いますが、おそらく高校生までに経験する長文は、夏休みの読書感想文を原稿用紙3枚程度で書くくらいでしょうか。すると、大学に入って初めてレポートを書く、しかも長い場合は数千文字を書かなければならず、「どうすればよいか分からない」ということになります。
レポートは、書くことを繰り返していかないと身につくものではありません。つまり、慣れるしかないのですが、私もそうした経験を重ねて思ったことは「書くのは楽で、スイスイ進む。むしろ考える方が大変で、なかなか出てこない」ということです。書くことが決まっていれば、それを文章にすれば良いだけですから、実はそれほど負担ではありません。大変なのは「何を書くか」を決める段階です。ドラマなどで作家の先生が原稿を部屋を歩き回りながらアイデアを考えているシーンを昔よく見ました(最近はあまり見ませんが…)。考える方が大変です。
私が考える時は、部屋を歩き回ることはしません。良いアイデアは、いつ出てくるか分からず、突然浮かんでくるので(よく「降りてくる」と言われますね)、普通に活動しながらアイデアが浮かぶのを待つのです。その方がアイデアが浮かんできやすいのではないかと思います。
アイデアが浮かぶようにするためには、考えるための情報を頭に入れておく必要があります。朝のうちに頭に入れておけば、仕事や食事、生活をしながら浮かんでくる確率も上がってくると思います。また、アイデアがいつ浮かんでくるかはわからないので、すぐにメモをできるようにしておく必要があります。
これを数日くらいすると、アイデアが蓄積されてくるので、整理するとおおよその構成ができてきます。文章として流れを作るために足りない部分があれば、その部分のアイデアが浮かぶようにして埋めていきましょう。
ここまでくれば、あとは書くだけです。書く内容がだいたい決まってくれば、書く作業そのものはそれほど大きな負担ではありません。スマホを使って音声入力などでもスムーズに入力できるようになります。もちろん、書くこともそれなりの負担になりますが、休憩しながら書いていけば良いのです。そして、内容が決まっていれば書くだけの負担で済みます。
ここで分かると思いますが、「考えながら書く」ということは勧めません。あまりにも負担が大きいからです。おそらく、しっかり書こうと思っているレポートならば、考えながら書いたレポートを読んでみて愕然とするのではないかと思います。最初に書いたことと最後に書いたことが正反対になっていたり、ということもあります。考える作業を先にしていれば、こうしたことは起こりません。
このように、考える作業というのはとても大切で、だからこそ考えた結果として構成ができた時点で、レポートは半分出来ていると言えます。構成だけでは0文字なので書いたと思えないかもしれませんが、ぜひ考える作業を大切にしてください。