月曜コラム「公務員への道」第18回:3年生秋から公務員試験対策を始めても間に合うか?
公務員試験を受ける学生に、「いつ頃から勉強を始めればよいのか」とよく聞かれます。無理なく始めるためには、3年生の夏休みから始めるのがよいと思いますがのですが、逆に「それを逃すと間に合わないのか」と不安に思う人も多いでしょう。まさに、夏休みが終わったこの時期の学生は、そうした不安を持つケースが多いと思います。夏休みに思い切り遊んでしまい、いつの間にか終わって焦っている、という状況です。
しかし、決して焦る必要はありません。
大学生の夏休みは、8月初旬から9月下旬くらいの約1か月半ほどです。確かに、夏休みは時間に余裕があり、腰を据えて勉強できる時間です。その間に、まずは慣れの必要な科目(数的推理や判断推理)にじっくり取り組むのがオススメです。これができれば、確かに秋からのスケジュールも組みやすくなることは間違いありません。
しかし、秋からでも十分に間に合います。公務員試験合格者の声を聞いていると、夏休み明けから始めた人もけっこういます。彼らは、決してスタートが遅くて焦ったとは思っていなかったようです。また、特に今年はコロナ禍の影響で依然としてオンライン授業が残っています。オンライン授業であれば通学せずに受講することも可能なので、通学時間を勉強に充てることも可能です。今も夏休みに近い環境と言えるかもしれません。
さらに、公務員試験と一口に言っても、試験本番は4月に始まるものもあれば9月ごろに始まるものもあります。大学受験と違って、試験本番の日にはかなりの幅があるのです。最初に始まるのは国家公務員総合職で、続いて国家公務員専門職・一般職、地方上級、市役所といった順で始まります。難易度で言えば、最初が最難関の試験から始まることになります。遅く始まる職種を希望する場合は、難易度も低くなるので勉強を始めるのが遅くても問題ありません。むしろ、希望が明確にならない夏休みの段階でなんとなく勉強を始めてもなかなか身に着きませんし、勉強量の多さに断念してしまう可能性もあります。やはり希望を明確にして、モチベーションを高めないと続きません。
ちなみに、私の場合はなんと4年生のGW明けに勉強を始めました。普通に民間企業への就職活動をしていたのですが、断念して公務員に急きょ切り替えたのです。公務員試験もすでに始まっていましたし、申込できる職種も限られていました。ですが、それがかえって良かったのではないかと思っています。「もう後がない」という危機感で大学受験の頃よりも密度の濃い勉強をして、9月の試験(択一式は教養試験のみ)に臨みました。おかげさまで合格することができたのですが、もし早めに始めていたら途中の緩みや疲れなども出てしまうので、合格できたかどうかは分かりません。
いずれにしても、夏休みが終わり公務員試験を考えている大学3年生の方は、不安も大きくなっているのではないかと思います。大丈夫です。不安をパワーに変えて、希望を持って勉強をすれば、今からでも合格は必ず勝ち取れます。