木曜コラム「公務員の仕事」第26回:最初は緊張する「電話応対」

 今日は少し角度を変えて、電話応対についての思い出を述べたいと思います。電話応対は、最初に入った頃はとても緊張しました。誰から電話がかかってくるか、何を言われるかもわからないからです。もし何かを聞かれた場合、その場で答えなければならないこともあるので、うまく答えられるかどうかという不安もあります。

 電話応対は大きく分けて、内線と外線の2つがあります。内線電話は、役所内の別の部署からの電話なので、同僚か先輩・後輩との応対になります。先輩や上司からの電話のこともあるのでその時は緊張しますが、それでも身内なので「応対で大失敗したらどうしよう」という心配は、それほど大きくありません。

 逆に、同期や友人の職員などから電話かかってくる時には雑談なども交えながらができるので、リラックスすることもできます。

 一方、外線は公務員以外の方からの電話です。例えば仕事をお願いしている業者の方からの問い合わせやアポイントなどの電話があります。この場合も、仕事を通じて知っている人とのコミュニケーションなので、それほど大きなトラブルにはなりません。

 ただし、社会人として適切な応対は必要です。電話に出る時は「はい、〇〇役所〇〇課の〇〇です」と自分の所属と氏名を名乗り、相手の名前を聞いてから「いつもお世話になっております」と挨拶します。他の職員に用事のある電話はつなげば良いのですが、不在であればいつなら大丈夫か、メッセージはあるかなどを確認する必要があります。メモは常に用意しておかなければなりません。

 なお、最も緊張するのは、市民からの電話(特にクレーム)です。私は役所に入ってから3年間税務課に配属されていましたが、納税通知書を送ってからしばらくは「なぜ今年はこんなに高いのか」という問い合わせを多く受けます。高い理由を知りたいだけの人もいれば、納得出来ず、グチを言う人もいます。こちらは適切に課税されていることを丁寧に説明するしかありません。もちろん、話をしっかり聞いてポイントを絞った説明が必要ですし、納税が義務だからと言って高圧的に話してはいけません。納得していただけるよう、丁寧に説明するのが務めです。

 市民とのコミュニケーションが多い部署では多く、市民から問い合わせの電話などが多くかかってきます。逆に、内部の管理が中心の仕事はそういった電話はほとんどありません。電話の着信音も、内線と外線で少し違っていたので心の準備ができます。また、最初のうちは先輩が手本を見せてくれたり、自分の会話を近くで見守ってくれたりします。少しずつ慣れてくれば自信もついてくるので、積み重ねが大切です。

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