火曜コラム「オススメ書籍」第32回:野口悠紀雄『書くことについて』角川新書

 著者の野口氏は、経済学者として多数の素晴らしい著書を出版するだけでなく、『「超」整理法』などビジネスや勉強のノウハウについても自身の経験を踏まえて多くの著書を出されています。私はどちらかと言えば後者の著書を読む機会が多く、今回はまさに自分もたくさん書きたいと思っていたので、楽しみにしていました。これから論文やレポートを書く方々にとっても、有益な本だと思います。

 この本で特に印象的なのは、文章を書くための仕組みをどう作るかということと、何を書くのかが大変重要だということの2つです。

 前者については、googleドキュメントを使うことは過去の本でも推奨していますが、この本ではより踏み込んだ使い方が紹介されています。それは「多層ファイリング」の提案という点です。詳しくは本書を見ていただきたいのですが、googleドキュメントは 膨大なファイルが蓄積されると検索に手間がかかってしまいます。そこで、系統だてて3層で1000個のファイルを管理できる仕組みを構築することによって、この問題を解決しています。

 私自身これまで googleドキュメントを使ったことはありますが、現在はOnenoteを使っています。Onenoteの方が1つのノートブックに文書を整理しやすいという利点があると感じているからです。実際、このコラムも当初はGoogleドキュメントを使って作成していましたが、10月以降はOnenoteに切り替えました。来年以降も引き続きOnenoteを使う予定です。

 ただ、googleドキュメントとOnenoteは必ずしも競合するものではありません。どちらにも長所と短所があります。googleドキュメントも使い勝手の良い部分がありますので、 自分の合っているスタイル、自分が何を目的に 文章を書くのかを 考えて使いやすい方を使えばよいでしょうし、使い分けても良いと思います。私もgoogleドキュメントを決して放棄したわけではなく、使える用途を探してみたいと思います。

 次に後者、何を書くのかが大変重要だということについてです。「クリエイティング・バイ・ドゥーイング」という言葉を使って表現しています。つまり テーマを見つけるには考え抜くしかなく、考えるための題材をしっかり用意しておくことです。そして、大小さまざまなアイディアが断片的に出てくると思いますが、それらが「タネ」となって、それを育て、集めることで書くためのテーマに成長していくことになるのです。

 このプロセスは、私も大いに学ぶところがあります。私もテーマを考えるときにはいろいろなアイデアを出し、それを整理しながら書ける形にしていきます。しかし、出てきたアイディアを使いきれず、最終的にボツになってしまうものもあります。もちろんそれは避けられないのですが、これを次に何かを書く時に活用できればムダにならないですし、イチから考える必要もなくなります。今のところそれができずに埋もれてしまっているのが現状なので、この本から多くを学び、せっかく生み出したアイデアをより有効に活用できるようなシステムを構築していきたいと思っています。

 また、文章を書くうえで、してはいけないケアレスミスなどについても紹介されていまう。そこで、この本は文章を多く書く方ばかりでなく、初心者にも有益な本だと思います。ぜひ読んでみてください。

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