連載企画:誰でも無理なく合格できる!公務員試験の勉強術「公務員試験の参考書や問題集は捨てずに保管しておこう」
来年度に卒業を迎える学生の公務員試験も、いよいよ後半から終盤となりました。現在、あと最終面接が少し残っている、という学生が多いのではないかと思います。結果を待つ不安とピークが過ぎた安心感、そして夏休みが近づくワクワクした気持ち、いろいろと入り交じっていることでしょう。
公務員試験の勉強で使った参考書や問題集は、試験対策として使うことはもうありません。早く解放されたい気持ちから、処分したいという思いになります。ですが、私は専門分野の科目を中心に保管しておくことを勧めます。それは、2つの意味があるからです。
第1に、就職までに腰を据えて勉強し、「生きた知識」として身につけてほしいからです。これまでの勉強は、とにかく合格するために正解を導くことが大切でした。過去問を中心に頻出分野の問題を効率良く解くことに力を入れてきたことと思います。
もちろん、試験対策はそのような形で行わなければなりませんが、公務員の仕事の現場で問題を解くことはありません。その代わり、試験対策で得た知識を活かして仕事に役立ててほしいのです。試験が終われば勉強もやめてしまうため、せっかく得た知識がなかなか仕事で活かされてきませんでした。ですが、それは本当にもったいないですし、何よりもこれからの公務員に必要なスキルだと思います。過去問を懐かしみながら、今度は参考書にもじっくり向き合い、教養や学問の基盤を固めてほしいです。
第2に、リスキリング(学び直し)です。仕事を始めると、勉強や読書の習慣がなくなってしまいます。しかし、最近「リスキリング」が注目されるようになり、大学院などがその舞台になっているのです。私が勤めている大学にも、多くの公務員の方々が学んでいます。プロフェッショナルとして、責任感や問題意識を持って学ぶことは、非常に大きな効果があるのです。
公務員試験を経験している大学生は、まさに学んでいる最中です。これほど重要で有益なチャンスは、もう訪れないでしょう。あるいは、後に学びたくなっても多額の費用と手間がかかります。これまで真剣に向き合ってきた試験対策の参考書や問題集は、公務員になってからのリスキリングにも、かけがえのない題材となるのです。処分せず、保管しておいた方が良いと思います。
以上、公務員試験の参考書や問題集を保管しておくことについて、私の考えを述べてきました。もちろん、たくさんあると思いますので、すべて保管する必要はありません。法律・経済・政治の主要科目で、コンパクトな要点集やまとめの問題集などで良いでしょう。何かあった時に読み返したり調べたりすることで、得た知識を持続的に活かせるようになると思います。