月曜コラム「公務員への道」第1回: 試験日程の延期やstay homeによるモチベーションの低下にどう対処すればよいか
曜日ごとにテーマを決めて投稿していきたいと思います。月曜日は「公務員への道」というテーマで、公務員試験対策に役立つ情報を書いていきたいと思います。初回は、新型コロナのため試験本番が延期されている学生向けの内容です。
新型コロナウイルスの影響により、学生の就職活動が大幅に遅れている。民間企業の場合はオンラインでの説明会や面接などが行われているようだが、公務員の場合は試験からスタートするのでまだ始まっておらず、大幅な延期を余儀なくされている。国家公務員総合職(大卒程度)の第1次試験は4月26日の実施予定が、また一般職(同)も 6月14日の実施予定が延期となり、現時点では実施日が決まっていない。この影響が地方公務員にも波及すれば、今年の公務員試験の日程はすべて大幅に遅れることとなる。
採用する側から見れば、(私のわずかな経験からすれば)内定が1~2か月程度日程が遅れても4月1日の採用には間に合うと思う。しかし、受験生から見れば別で、民間企業との併願や卒業論文の執筆時間などを考えて受験を断念せざるを得ない状況にもなりかねない。そして、何よりも受験という大きな目標へのモチベーションが低下しかねない。
そこで、私なりに公務員試験の延期に対してモチベーションを維持するための方法をいくつか考えた。4点挙げることにしたい。
第1に、モチベーションの低下を心配するほど高いモチベーションを自分が持っていたということを、ひとまず喜んでみてはどうか。東京オリンピックの開催やプロ野球の開幕などが延期されており、トップアスリートでさえコンディションやモチベーションの維持に苦心している姿をテレビなどで見る。自分がそうした人たちと同じレベルの悩みを持っているのは、誇らしいことである。
第2に、モチベーションが低い人は延期で公務員試験を断念する可能性があるので、ライバルが減ることを意味する。モチベーションは誰でも低下するので、切れなかったことに価値がある。「例年よりも入りやすくなった」と、むしろプラスの面に目を向けてはどうだろうか。
第3に、試験本番という大きな目標をひとまず切り離し、小さな目標を自分で立てることである。試験本番の日を自分で決めることはできないが、自分が勉強した成果を測る機会は自分で決めることができる。1週間後、2週間後…など小さな目標を立て、その目標に向けて努力するのである。
仲間を巻き込んで、目標を共有することも良いだろう。外出は制約されているが、オンラインでのコミュニケーションは対面よりも効率的だ。互いに正解率を目標として、問題集の中から互いに問題を出し合う方法なども励みになる。
第4に、当たり前のことかもしれないが、必ず試験があると信じることである。例年でも公務員試験の結果は民間企業の内定より遅いので、試験の結果を待つ忍耐力が必要になる。今年のような状況ではなおさらであろう。先に民間企業の内定を得た場合、前向きな(その民間企業に行きたいという)理由で公務員試験を断念することは良いのだが、公務員試験への不安から逃れるために民間企業を(あまり行きたいと思わないのに)選ぶと、後で後悔する可能性がある。就職して何十年と働くなかで、数カ月の期間はごくわずかである。不安を乗り越えて試験に合格することをめざしてほしい。
学生の就職活動を見ていると、日々不安の中で将来を一生懸命模索している姿に、可能な限り応援したい気持ちになる。私が学生の力になっている自信が決してあるわけではないが、このコラムで少しでもモチベーションを維持してもらえれば幸いである。