木曜コラム「公務員の仕事」第25回:祭りイベントの思い出
先週の投稿では他部署の応援について書きました。今回は、その中でも思い出深かった祭りイベントの参加について私の経験を述べたいと思います 。
私が所属していた市役所では、9月初旬に大きな祭りが開催されます。特に土・日には大勢のお客さんが来るイベントが目白押しで、職員は2つの方法で参加していました。
1つは、群衆整理です。大通りを通行止めにして、子供のマーチングや盆踊り、お神輿、山車(やま)巡幸などが行われます。ある年にはディズニーのパレードもやってきて、大勢のお客さんで賑わいました。見学するお客さんが歩道に大勢座り、パレードの参加者に声をかけたり 大通りを横断したりするので、イベントが円滑に進行するように群衆整理を行いました。ロープを張り、交通整理用の赤い棒を持って、人々が安全にイベントを見ることができるよう注意深く見守っていました。どのようなことをすべきかは事前の説明を受けていますし、どこに配置するかも決まっているので、することは単純なのですが、緊張感はありました。もちろん目の前で行われているイベントを満喫することはできませんが、普通の人なら見ることのできない近距離でイベントの雰囲気を感じることができたのは、1つの役得になっていたと思います。
こうした動員はいくつかあったので、分担は部署内の職員が同等の負担となるように、また職員の希望に合うように配分されていました。私はこの行事に3年に1回くらいかかわったと思います。
もう1つは、ダンサーです。これは直接の仕事ではなく「職員互助会」という形で出演しました。祭りのメインイベントとしてパレードがあり、市内の企業や業界団体などが出場します。その1つとして、職員互助会が出場していました。私は、若いころにそのメンバーとしてダンスに参加しました。記憶では毎回100人以上の職員が参加していたと思います。ベテランの職員にとってはあまりしたいことではなかったので、若手の頃によく出演しました(私も今振り返ってみると、少し恥ずかしくなります)。
もちろん大勢の人が見学するので、体育館などで何度か練習をしましたし、プロの先生の指導もありました。また、練習の最終日には市長や副市長にも成果を披露するなど、力が入っていました。当日は派手な衣装を着て、顔にペイントなどを縫って楽しく踊った記憶があります。また、数年間だけでしたが若手の少数精鋭でキレキレのダンスを披露するユニットを組み、私も参加しました。練習も熱心で、若かったからこそできたのではないかと思います。
ただ、ダンスは互助会メンバーとして参加しているので、残業にはなりません。有志として参加していたと思います。しかし、ふだんはあまり話すことのない職員(病院の技師さんや看護師さん、保育士さん、水道など出先機関の方々)とコミュニケーションをとることができたので、仕事にも役に立ったのではないかと思います。
もう20年くらい前のことですが、市役所の仕事にはいろいろなものがある、ということを知っていただけたら、と思います。