月曜コラム「公務員への道」第6回:試験本番のペース配分

 新型コロナの影響で実施が遅れていた公務員試験が、いよいよ本格的にスタートした。例年と違っていくつかの試験が重なってしまい、学生には不運な部分もあるかもしれない。しかし、東京オリンピックも1年延期された。出場予定の選手は「実力を伸ばせるチャンス」と前向きに考えている人が多いので、公務員試験の受験生もプラスにしていくしかない。

 さて、本番に向けて勉強も追い込みの状況と思われるが、ふだんの勉強では自分で科目を選び、時間を決めて勉強を進めていくのに対して、試験本番では科目がランダムに並べられ、時間も決められている。そのため、ふだんと勝手が違うために波に乗れず、実力が発揮しきれない、ということが起こりうる。そこで、試験本番のペース配分というテーマで私なりの対策を紹介しておきたい。

 まず、試験時間をいくつかのブロックに分けると良い。試験時間は長いので、ブロックに分けておかないと「どの段階でどこまで進めればよいか」ペース配分ができない。特に、問題を最初から解こうとして最初の問題に時間を費やしてしまい、気づいたら問題が半分残っているのに終了5分前といったことにもなりかねない。そこで、1つのモデルとして、次のようにペース配分することを勧めたい。

 ①1題に充てる時間をあらかじめ決めておき、例えば4ブロックに分けて、ブロックごとの回答数を割り当てる。最後の1ブロックは点検や再考の時間として余裕をもっておきたい。

 ②最初のブロックはウォーミングアップとし、得意でテンポよく解ける科目を解くことにする。あらかじめ科目を決めておき、順番にこだわらずその科目の問題をどんどん解いていく。これでリズムをつかみ余裕も生まれる。

 ③第2ブロックはそこそこ得意な科目を割り当て、少し時間をかけて丁寧に解いていく。できそうな問題かどうかを早めに見抜き、できそうな問題から解いていく。できそうにないと感じたら後に回す。多少の時間オーバーは許容する(ペースを厳格にしすぎて後回しにするよりも、トータルでの時間のロスは少ないと思う)。

 ④第3ブロックは不得意な科目を割り当て、そのなかでも比較的容易な問題を素早く見抜いてから解いていく(不得意な科目でも容易な問題はあり、当然正答率が高くなるので、早めに手を付けた方が良い)。第3ブロック終了までに解けなかった問題は難易度が高いため、あきらめる(もちろん番号は選んでおくこと)。

 ⑤最後の第4ブロックは点検したり、考え残したことを考え直したりするなど、ミスを消していく。難易度が高い問題を考えるよりも、ミスを消した方が得点アップにつながる可能性が高い。

 このような方法が最善というわけではないが、ブロックに分けて試験を解く場合の1つのモデルケースになると思う。もちろん、どのような戦略で臨むのかはふだんの勉強で模擬試験に何度も挑戦し、自分なりのスタイルを探っていくしかない。また、1題にかかる時間はどの程度なのか、解けそうな問題かどうかを素早く見抜く訓練もしておく必要がある。可能であれば、試験の時刻や試験会場の環境にも合わせて行えば、本番に近い形での準備が可能になる。

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