月曜コラム「公務員への道」第17回:公務員試験へのモチベーションと覚悟を維持するには、 定年までに何を実現したいかをイメージすることが大事
公務員試験は、大学生がもう一度受験勉強をするようなものなので、負担も相当大きいです。正確には、1年くらい前から勉強を始め、1日平均5~7時間くらい、直前期には10時間以上の勉強をする人が多いと聞きます。おそらく、大学受験と同じくらいの勉強が必要でしょう。
しかも、学生の大半は民間企業への就職を目指す人ですから、そうした勉強はしていません。これも勉強する人には、負担になります。高校生の頃は大半が大学受験をするので、勉強することが当たり前という雰囲気があります。しかし、公務員試験の勉強をする人は少数派なので、「なぜ自分だけ勉強しないといけないのか」といった気持ちになり、勉強の負担感も大きくなります。
さらに、公務員試験の結果が出るのはは民間企業よりも遅いため、周囲が就職活動を終えて(卒業までの時間を有意義に使おうとして)いるなかで、勉強を続けて結果を待たなければならないので、さらに勉強に負担を感じると思います。
こうしたことから、公務員試験を考えている学生には「強いモチベーション」と「強い覚悟」が必要です。「公務員は仕事がラク」「公務員はクビにならない」といったことから公務員への就職を考える人も多いと思いますが、確かにそうした魅力はあるにせよ、それだけでは公務員試験の負担にはとうてい耐えられません。「公務員になる」というモチベーションと、「勉強を最後まで頑張る」という覚悟が強くなければなりません。
そこで、次のことをススメます。まず、公務員の仕事を明確にイメージすることです。私の授業でも自分の経験を正直に話しています。「公務員試験を突破すると、こうした仕事ができる」ということがイメージできれば、受験の目的が明確になるので、モチベーションと覚悟が生まれると思います。
次に、「定年までにどんな国(地域)になってほしいか」を描くことです。大学受験は4年間の大学生活を決めるものですが、公務員試験は定年までの40年(公務員の定年は65歳になると予想されるので、大卒の人は定年まで40年以上勤めることになります)を決めるものです。これほど長い将来を決めるので、1年間の公務員試験対策など短いものです。そして、40年でできることはたくさんあります。「世の中の貧困をなくす」「地域に新幹線を通す」など、遠大な夢物語のようなものでも、40年あれば実現できるかもしれません。そうした自分の夢をかなえるために公務員になる、ということを描くことができると、大きな力になると思います。
こうした気持ちは、大学受験にはあまりなかったと思いますが、公務員試験(民間企業への就職でも大切なことですが)には大きく関係します。公務員になった自分が、どんな活躍をして、どんな足跡を残したいのか大きな夢を持ち、公務員試験へのモチベーションと覚悟を貫いてください。