木曜コラム「公務員の仕事」第28回:公務員の残業-個人での残業はマイペースで

 先週のコラムでは、残業について特に全員での残業についての話をしました。個人的には、残業で辛い思いをしたことはあまりありません。もちろん、財政課に所属していた頃はかなりのハードワークでしたが、楽しい雰囲気で仕事ができましたし、まだ20代と若かったので体力的な面でも何とか乗り越えることができました。さすがに50歳を目前に控えた現在は出張の移動で疲れてしまったり、早い時間に眠くなってしまうなど体力の衰えを感じていますので、同世代が管理職になっているとはいえ時々残業するようなことがあれば少し大変かなと思います。

 今回のコラムでは 個人での残業についてお話します。個人に割り当てられた仕事は、基本的に単独で行うことが多いです。もちろん、誰も助けてくれないわけではありません。サポートしてくれる副担当の方はいました。しかし副担当の方が通常業務で力になってくれることはほとんどありません。緊急の際などに、たまたまメインの担当が不在の場合くらいではないでしょうか。それぞれの職員がいくつかの主担当といくつかの副担当を持っているので、通常業務では基本的に主担当の仕事と全員での仕事を中心にすることになります。

 良い面として、マイペースで仕事ができるということがあります。誰かと協力してする仕事ではないので、例えば午前中にはA、午後からBなど、自分の判断で仕事を割り振ることができます。残業をするかしないかも自分で判断できます。もし翌日にどうしても休みをとりたい時は、前日に残業をして仕事を済ませておくといった調整もできるわけです。それぞれの仕事が主担当に任されているので、上司から報告を求められることはありますが、基本的には自分の判断で仕事が出来るのが良いと感じます。

 ただし、デメリットもあります。それは 職員それぞれのペースが必ずしも同じではなく、速い人に仕事が集中しがちになる、ということです。スーパーマーケットのレジに行って実感することもあると思いますが、テキパキと商品をスキャンするレジ係の人もいれば、お客さんがたくさん並んでいてもゆったりとスキャンしている人もいます。急いでいるお客さんはイライラしたり、速いレジ係のところに並び直したりするでしょう。これと同じように、速い人に仕事が集まる傾向があります。

 個人への役割分担は多くの場合、年度の始めに上司の主導の下で決めていきます。上司はそれぞれの職員の負担がなるべく偏らないようにバランスを取りますが、同時に仕事が速い人、確実な人に負担の大きな仕事を任せる傾向があります。その方が上司も安心して任せられるからです。仕事を遅らせるわけにはいかないのでやむを得ないことかもしれませんが、仕事が速い人は少し損した気分になります。あえて仕事を遅くして負担を逃れようとする職員も出てくるかもしれません。人事評価などでそれほど大きな差がつかないこともあるので、こうした点は 仕事の弊害になると思います。

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