月曜コラム「公務員への道」第30回:「いかにやるか」よりも「いかにやらずに済ませるか」を大切に

 私は大学受験と公務員試験で、どちらかと言えば欲を出してチカラワザで勉強を進めた方でした。つまり、いろいろなテキストや参考書、問題集を買い、最初から最後まで通して、最大限の力を身につける、というコンセプトです。

 しかし、振り返ってみるとそれが必ずしも成功したとは言えません。それは受験の結果が出たか出なかったかというよりも、力が身に付いたかどうかで言えば、思ったほどではなかったのではないかと感じています。

 なぜならば、「やらないよりもやった方が良い」という単純な思考で「あれもやろう、これもやろう」と欲張ってしまった結果、すべてが中途半端に終わってしまったからではないかと思います。「あれもやらないと、これもやらないと」となるので、今やっていることを十分に消化しきれないまま、次に進んでしまうからです。その結果、やったことが身に付かなかったのではないかと思います。

 残念ながら、今もそうした傾向があります。自分自身の勉強方法はなかなか変えられないものです。研究室には本がたくさん積んであります。大学の研究室のような雰囲気は出ているのですが、それぞれどこまで消化できているかは必ずしも自信がありません。

 ※もちろん、今はその方が仕事に合っていると感じています。大量の情報に触れることによって、記憶のトリガーを持つことができるからです。つまり、何かの情報に刺激を受けて「そういえば、あの本には似たことが書いてなかったっけ?」と思い出すことができるのです。何が書かれていたかまでは覚えていなくても、何か書かれていたことを思い出せれば、もう一度その情報に触れることで確認すれば良いのです。試験では正解を得られる勉強ではなかったものが、今の仕事にはフィットしているのではないかと感じています。

 しかし、こうした方法が決して効果的でないことは私の経験からも明らかです。自分の吸収できる範囲、そして試験に合格できるレベルをしっかり見極めてから、そのために 何を最低限消化すれば良いのかを設定すれば良いと思います。つまり、「やらないよりもやった方が良い」「いかにやるか」ということではなく、「やらないで済むのであればやらないほうが良い」「いかにやらずに済ませるか」を考えるのが最も労力をかけずに合格を獲得する方法ではないかと思います。

 もちろん、そのようなやり方に不安を感じることもあるでしょう(おそらく私もそうなると思います)。しかし、どんなテストでも満点を取らなければ合格しない、と言うほどのものはないと思います。ある試験の合格ラインが60点で第一志望だとすれば、目標とするレベルを60点とするのではなく75点とすればよいだけの話だと思います。これまでのように「やればやるほど良い」というのは、限りなく100点を求める勉強です。確かに100点取れれば最高ですが、結果的に消化不足に陥り55点しか取れないような事態が起こりえます。目標は極めることではなく合格することなので、そのための方法を考えれば良いのではないでしょうか。

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