月曜コラム「公務員への道」第43回:図形問題は後回しの方が無難かもしれない

 公務員試験の問題を大雑把に分けてみると、思考問題と知識問題に分けられると思います。もちろん、明確に区別できるわけではなく、思考と知識をミックスさせた問題が大半です。ただし、思考中心の問題と知識中心の問題とに分けられるでしょう。

 知識中心の問題は、「知らなければ解けない」「知っていれば解ける」ものです。したがって、知っているかどうかが決定的に重要で、勉強法もとにかく覚えることが求められます。

 これに対して、思考中心の問題は「知らなければ解けない」「知っていても解けるとは限らない」ものです。「知らなければ解けない」というのは、公式や解法のパターンです。公式も解法も覚えていなければ解けない、もしくは大きな回り道を強いられ時間をロスしてしまいます。

 しかし、知識中心の問題と決定的に違うのは「知っていても解けるとは限らない」ということです。解こうとすると泥沼にハマり、冷静さを失って道に迷ってしまうような状態に陥ります。逆に言えば、スッキリと迷いなく正解できることもあります。これは、日頃の勉強の積み重ねにもよりますが、その日の調子や運・不運のようなものまであり、勉強しても完全に克服することは難しいところがあります。試験本番で上手く解けるかどうかは、試験対策の成果だけでなくその日の調子や運不運もあると思います。

 これは予測できないリスクと言えます。試験本番で解ければ良いのですが、そうなるとは限りません。逆に、溶けずに泥沼にハマってしまう可能性もあります。そうなると、時間を大幅にロスしてしまい、知識問題など知っている問題に充てる時間まで不足して得点を失うことも考えられるのです。

 特にそのリスクが大きいのは、図形問題ではないでしょうか。図形問題は、補助線など着眼点が適切かどうかが解くための条件とも言えますが、過去問と同じ問題が出ないとすれば試験本番で適切な着眼ができない可能性もあります。私も図形問題を解いていて、前回まったく解けなかった(しかも難問ではない)ものが次に解けたり、前回は解けたものが次は解けなかったりします。これが試験本番でどうなるかは、予想できないのではないでしょうか。

 これらは試験本番でうまく解けることを祈るしかないかもしれませんが、少なくとも他の問題に取り組む時間を確保する必要があります。そこで、図形問題は後半で解くことにしてはどうでしょうか。知識中心の問題にしっかり取り組み得点を確保したうえで、思考中心の問題とくに図形問題に取りかかるのです。解ける問題を後回しにしないので、気持ちの余裕も出てくるのではないかと思います。

 もちろん、先に図形問題を解いて調子を上げる戦略もあると思いますが、リスクもあるように思います。手堅く、実力どおりの得点を獲得するには、ここで述べた戦略の方が良いように思います。

 もちろん、皆さんがどのように解き進めていくかは、皆さん自身が決めることですが、こうしたことまで含めて本番の臨み方を考えてほしいと思います。

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