月曜コラム「公務員への道」第45回:今の、その気持ちを大切に

 新年度を迎え、大きな期待と不安をお持ちの方が多いのではないかと思います。私の投稿をご覧いただいている方は、「公務員試験の勉強を頑張ろう」と意気込んでいることでしょう。今日は、今の、その気持ちこそが大切だということを改めて述べたいと思います。

 公務員試験の勉強は大学受験の勉強と同じようなものと思われているかもしれませんが、実はまったく違うことがあります。それは、「辞める選択ができるかできないか」ということです。

 大学受験は、途中で断念することはほとんどないと思います。なかなか勉強の成果が上がらないことはあるかもしれませんが、その時は志望校を見直すことはあっても大学受験をやめる人はほとんどいません。これに対して、公務員試験の場合は途中でやめる人が結構います。その多くが、民間企業への志望に切り替えるのです。

 私は、公務員試験を断念して民間企業に切り替えることを否定しているわけではありません。より魅力的な仕事があるのならば、無理に公務員になる必要はないと思います。保護者の方がお子さんに公務員になってほしいと希望しているケースも見受けられ、「民間企業(大手ではなくベンチャーなど)に行って欲しくない」と思うこともあるでしょう。しかし、仕事をするのは本人ですから、確かな希望と展望を持って民間企業に切り替えるのは素晴らしい判断として尊重すべきです。

 問題は、「公務員試験の勉強が辛いからあきらめる」と判断するケースです。大学受験と違って、公務員試験は「逃げることのできる試験」です。そのため、意識の底に「辛い」という気持ちが少しでもあればつい逃げ道に行ってしまいがちになります。

 この「辛い」という気持ちになるかどうかは、モチベーション、つまり「公務員になりたい」と強く思えるかどうかにかかってきます。どうしても実現したいことは、辛くても耐えられるものです。オリンピックに出たいと強く思っているアスリートが超人的な鍛錬に耐えられるのも、やはりモチベーションが支えになっているからでしょう。

 その意味で、ちょうど新年度を迎えた今は、もっともモチベーションが高い時期と言えます。勢いのあるうちに勉強を始めてほしいと思います。

 ただ、しばらくすればモチベーションも下がってくるでしょう。だれでもそうなので気にすることはありませんが、ここで大切なのは「モチベーションを意識して高めること」「無理しないこと」の2つです。下がったモチベーションは高くするしかありません。そのためには、公務員の仕事現場を経験してみるとか、知り合いの公務員に話を聞いてみるのが良いでしょう。

 そして、無理をしてしまうと続きません。公務員試験の勉強は1年単位です。良い時と良くない時の波は必ずあります。避けたいのは、良くない時にスピンアウトしてしまうことです。これは、波が大きいと起きやすいのではないかと思います。マラソンのように一定のペース配分で着実にラップを刻んで行くのが良いでしょう。

 今は、誰でモチベーションを高く持てる時期です。これから差がつくのは、その気持ちをどこまで維持して、勉強を続けられるかだと思います。
ぜひ、今の、その気持ちを大切に持ち続けてください。

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