月曜コラム「公務員への道」第19回:面接対策は何度も練習するべし
公務員試験の準備と言えば、どうしても一次試験対策にとらわれてしまいがちです。なにしろ一次試験を突破しなければ先に進めませんし、勉強する分量が多くて準備にも時間を要します。一次試験に十分な時間をかけることは確かに必要ですが、行き過ぎてしまうと二次試験が疎かになってしまいます。
最近の公務員試験は、二次試験を重視する傾向が強まっています。つまり、人物重視です。一次試験で高得点を取っても二次試験には加味されない場合もあります。また、一次試験は多めに合格を出して、二次試験で大きく絞る傾向も出てきています。こうしたことは私が試験を受けたころは見られなかったものです。このように、面接対策の重要性も高まっています。
しかし、一次試験と違って二次試験の対策はなかなか難しいです。面接対策の参考書などはありますが、それだけでは心もとないのが面接の特徴です。質問を想定し、答えをドラマのセリフのように覚えたところで、その通りの質問が来るとは限りません。もちろん、志望動機やこれまで頑張ってきたことなど、定番の質問はあります。しかし、それだけではなく、その場でとっさに応えなければならない質問も来るものです。その時にもしっかり答えられるかどうかが特に重要だと思います。
例えば、志望動機を聞かれてスラスラと答えたとしましょう。それは確かに素晴らしいことです。しかし、その次に想定していなかった質問がきて、上手く答えられなかったとすると、むしろ志望動機をスラスラ答えたことが悪い印象となることもありえます。つまり、「この人は練習したことには答えられるがとっさのことになると答えられない」とセットで評価されてしまうのです。面接官も、質問の内容が定番のものかどうかは分かっていますから、セットで見ていると言っても過言ではありません。
そこで、私は次のことを勧めます。1つは、いろいろなムチャ振りに答える訓練を日ごろからしておくことです。ゼミで先生との応答や家族・友人との会話などが訓練の機会になります。例えば「分からないと言ってはいけないクイズ」などをしても面白いかもしれません。今知っていることを駆使してとにかくその場を乗り切ることが求められます。
もう1つは、面接の練習を繰り返すことです。大学や公務員予備校などでも練習の場はありますし、先生も協力してくれるかもしれません。相手が変わればいろいろな角度から質問を受けるので、その場で言葉を組み立てて答える練習として最適です。もちろん、相手から感想を聞いて自分に取り入れてください。
面接では想定していなかった質問が必ず来る、と考えておいた方が無難です。そうした質問にも一定の水準で答えが出せるようにするには、訓練しかありません。練習で失敗することもたくさんあるでしょう。しかし、そうした失敗の積み重ねが本番への対応力になります。練習で課題をたくさん見つけ、練習の段階で克服しておくことをススメます。