火曜コラム「オススメ書籍」第24回: 池谷裕二「受験脳の作り方-脳科学で考える効率的学習法」

かなり以前に入手した本で、発刊されて20年近くになりますが、特に記憶と睡眠について興味深い内容が多く参考になるので、紹介したいと思います。

本書の著者はテレビコメンテーターとしても時々登場し、著書も分かりやすいものがたくさんあります。年齢が近いこともあり、何冊か読んでいます。

特に、記憶については海馬の働きと重要性を知ることができます。海馬とは、脳の中で情報を重要度によって仕分けをする機関ということになります。勉強したことを記憶としてできるだけ長く保持するためには、海馬の働きを踏まえて「生きていくために必要かどうか」というフィルターを通る必要があります。なので、受験勉強でも多くの人が感じたことと思いますが、「こんなこと覚えても仕方ない」と思っていたら、覚えられないのです。繰り返すこと、つまり復習が大切と言われるのも、その記憶が生きていくために必要なものと海馬に思わせることが大切だから、ということになります。

また、勉強の成果を上げるには、勉強内容に興味を持つことが大切、とも言われます。これもまた、その記憶が人生を豊かにするものと考えることができます。

いずれにしても、暗記や勉強は脳との戦いと言っても良いと思います。

次に、睡眠についてですが、勉強時間を確保するため睡眠不足はかえってよくないこと、寝る前と寝ている間も勉強に関係していることなどを知ることができます。受験の世界ではすでに常識となっているようなことも書かれていますが、あらためてそれらの重要性を感じさせてくれます。

なお、本書のタイトルから分かるように、主に大学受験を目指す高校生向けに抱えている本です。しかし、もちろん公務員試験にも役に立つ本だと思います。勉強法で悩んでいる人はこの本を読んでみると良いでしょう、ボリュームもそれほど大きくありませんし、興味深いコラムもたくさん掲載されているので、読みやすいと思います。

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