月曜コラム「公務員への道」第37回:判断推理も意外と難敵
公務員試験の勉強で早めに取り組んでおいた方が良い科目として、教養試験の数的推理や判断推理が挙げられます。これらは配点が高いため合否を大きく左右しますし、またクイズのような問題なので慣れが必要で対策に時間を要するからです。私も春休みを使って数的推理と判断推理にチャレンジしていて、現在は数的推理の入門編を終えて判断推理に取りかかっています。
どちらも推理系の科目なのですが、どちらかと言えば「数的推理の方が苦手」という学生の声を多く聞きます。おそらく、「数的」という言葉のせいか数学に苦手意識があるとどうしても難しいと思ってしまうのではないかと思います。確かに、場合の数や数列など学生時代に学んだ数学の公式などをもう一度学ばなければなりませんし、円の面積や三角形の相似・合同などといった図形問題もあるので、これらは数学そのものです。かつて数学に苦手意識を持っていた学生にとっては、当時の苦手意識がどうしても蘇ってしまうかもしれません。
しかし、実は判断推理も意外と難敵です。私も取り組んでみて感じたのですが、気持ちの落ち着きとひらめきが必要な科目なので、落とし穴にはまってしまうと時間だけが過ぎてしまい、焦りも生まれしまって他の問題に手が付けられなくなる、という結果を招く科目と言えます。数的推理や公式を覚えていなければ解けない問題などもありますが、逆に覚えていなければあきらめもついて他の科目に時間を回せるかもしれません。しかし、判断推理は落ち着いて問題を読み、ひらめきも味方につけて解かないといけません。本番でそうなるかどうかは、運も多少はあると思います。
判断推理の対策をしている時は落ち着いて練習できる環境にあり、すぐに答えを確認することもできるので後腐れなくスムーズに進めることができるかもしれません。しかし、本番では緊張感や時間の制約などがあり、落ち着いて問題に取り組むことができないかもしれません。ふだんは判断推理が得意だったとしても、本番でうまく解けないと焦りを生んで時間の大きなロスにつながりますし、解けなかったことを後の問題にまで引きずってしまうかもしれません。
私も問題を解いてみて思ったのですが、解説はとてもシンプルに書かれています。しかし、私だけなのかもしれませんが、実際にはなかなかシンプルに解くことができず、かなり混乱してしまいます。何度もメモを書き直したり、そうしているうちに訳が分からなくなってくることも多くあります。勉強中であればどうしても分からない時は途中まで解説を読み、途中から解き始めて何とか正解に到達することもありますが、試験本番ではそうしたことはできません。勉強の時はこれで解けたようなつもりになってしまいますが、これでは本番で正解できるとは限らないのです。さらに、他の問題にも影響する可能性があります。
学生時代の経験からつい数的推理に無意識に壁を作ってしまう人も多いと思いますが、むしろ判断推理の方が難敵なのかもしれません。もちろん、だからと言って勉強が大変だということを言いたいのではなく、むしろ推理小説を読むようなゲーム感覚で楽しんで取り組んでみると良いのではないかと思います。