月曜コラム「公務員への道」第46回:勉強時間の長さよりも密度を大切に

 「公務員試験に合格するために何時間勉強が必要ですか?」と学生に聞かれることがあります。かつて大学受験の世界では「四当五落」という言葉がありました。これは睡眠時間のことで、5時間も寝ていたら合格できない、4時間の睡眠なら合格できる、ということを意味しています。簡単に言えば、「寝る間を惜しんで勉強せよ」ということです。

 しかし、今は違います。文武両道、つまり勉強も身体の鍛錬も両立させることが、いずれにも効果的だと言われています。勉強している時間は頭を使い、体は酷使していません。逆に、身体の鍛錬は体を使い、頭は休んでいる状態です(もちろん、おおよその傾向としての話です。武道の試合などでは身体も頭も同時に使います)。

 そうすると、勉強している間に頭を使い、しばらく勉強して頭を休めたくなったら身体の鍛錬をすれば、その間に頭を休めることができます。そして、しばらく鍛錬して身体が疲れてきたら、今後は勉強に切り替えて身体を休めることができます。このように勉強と鍛錬を交互に繰り返すことによって、頭⇒身体⇒頭⇒身体…と使う部分を切り替えながら効率良く両立することができるようになります。

 勉強だけを何時間も高い集中力と緊張感で続けることは不可能です。それを求めようとすると、できないために自己嫌悪に陥ってしまうかもしれません。それでは意味がないと思います。勉強時間の長さを気にするよりも、密度と持続可能なペース配分を重視した方が良いと思います。

 ここまでは文武両道から密度を重視することを述べてきましたが、多くの学生は勉強とリラックス(スマホ、テレビ、SNS、動画など)、私生活(交友、旅行など)とを両立したいと思います。これも同じ考え方ができると私は思います。勉強で頭を使ったら、今度はリラックスして頭を休めるのです。ただし、リラックスタイムは5・6分程度に抑えた方が良いでしょう。そうでないと、いつまでもダラダラしてしまい、気が付いたら2時間ネットサーフィンしていた…ということになりかねないからです。

 そこで、タイマーを使って休憩時間を管理することをススメます。こうすることで、休憩をとることがご褒美になって楽しい時間帯に変わるだけでなく、タイマーを使って自然に勉強に戻ることができるようになります。また、1回の勉強する時間にもタイマーを使うようにすれば、「あと3分で休憩だから頑張ろう」と、勉強の密度も上がるようになります。勉強の密度が2割上がれば、50分の勉強で60分の勉強に匹敵する効果が得られますから、10分間の休憩はまさにご褒美になるのです。

 このように、勉強は時間よりも密度の方が大切だと思います。そして、密度を上げる方法を考え、楽しくリラックスできるように工夫してみてください。

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