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前回紹介した「3-1-1」でスケジュールを立てていく際に、重要なのは「どれくらいの時間をかければどれくらい勉強を進められるのか」という想定です。これは「時間見積」とも呼ばれています。
例えば、1時間に問題を5題解くスケジュールを立てたとしても、実際に3題しか解けなければスケジュールは遅れてしまいます。逆に、8題も解けるならばスケジュールは進むかもしれませんが、想定以上に時間が余ってしまいます。このように、スケジュールを立てる際には、割り当てた時間でどのくらい進められるのかをできるだけ正確に見積もっておかないと、スケジュールが狂ってしまいますし、バッファも当然変わってしまいます。最初は正確な時間見積は難しいので余裕を持たせてスケジュールを立てておいた方が良いかもしれませんが、勉強を進めながら正確な時間見積によるスケジュールに調整していってください。
私自身、時間見積もりの感覚は、とあるファストフードのアルバイトで身に付けました。学校で学べるものではないので、自分で機会を探すしかありません。ハンバーガーを作るプロセスは、すべて完璧なマニュアルが用意されています。パンを焼く、ハンバーグを焼く、ケチャップを付ける…といった一連の作業を、決まった時間で同時並行して進めていくのです。どこかで作業が遅れると、全体が遅れてしまいます。決められたペースなので自分でコントロールすることはできませんが、多くの人が同じ品質の商品を作れるように、練りに練ったものだと思います。
しかも、ファイスとフードの仕事はそれだけではありません。いろいろな種類の商品を同時に進める必要があります。そのため、複数のマニュアルを、頭の中でシミュレーションし「商品Aのパンを焼いたら商品Bにケチャップを付け、その後にポテトに塩を振る…」といったことをしていました(だから、ファストフードの仕事は肉体労働ではなく頭脳労働でもあると思います)。無意識ですが、ある作業をするのにどのくらいの時間がかかるかが自然に身についてきたので、慣れてくると高い生産性を発揮することができました。
公務員試験の勉強も同じです。スケジュールをしっかり進めるには、自分がどれだけの時間をかければどれくらい進められるかを把握しておく必要があります。科目によって、あるいは分野によっても違うでしょうから、ある程度経験を重ねていかないと把握することはできません。しかし、このプロセスを外すことはできません。「とにかく時間がある限り進められるだけ進める」では、一見すると頑張っているように見えますが、ゴールのない勉強に陥ってしまいます。つまり、余裕のない勉強になってしまうのです。勉強に追われるのはプレッシャーも大きく、息が詰まってしまいます。欲張って頑張りすぎると、かえってモチベーションを失ってまったく勉強に手が付かなくなり、公務員試験を諦める、といった結果になってしまいかねませんので、気を付けてください。
つまり、時間見積とは、自分の時間を確保する方法でもあります。早めに問題が解けたときは、残った時間をご褒美としてゲームをするとか、ネットを見るとか、友達とコミュニケーションをとるとか、リフレッシュすれば次の勉強へのステップにもなります(もちろん、リフレッシュにも時間見積もりがあると良いです。例えば、10分時間が余った時にロールプレイングゲームをするのは無謀です。おそらく、時間が短すぎてかえってストレスになると思います。「この時間ならこれをすると良い気分転換になる」という時間見積もりを持っていれば、勉強以外の時間も有意義に過ごすことができます)。
公務員試験の勉強を通じて時間見積の感覚をつかみ、今後の長い人生にもぜひ役立ててください。
今回説明したことの説明も含めて、詳しい内容が電子書籍に書かれています。
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