教養択一試験は、次のような分野と科目で構成されています。
  ・一般知能分野…判断推理・数的推理・資料解釈・文章理解

  ・社会科学分野…政治・法律・経済・社会・時事・社会事情

  ・人文科学分野…日本史・世界史・地理・思想・文学・芸術・国語・英語

  ・自然科学分野…数学・物理・化学・生物・地学

 問題数は全部で30〜50題で、試験によって少し幅があります。また、地方上級の一部や特別区では回答する問題を選択できる(例:50題中から40題選択)方式もあります。

 問題のパターンは5つの選択肢から1つを選ぶ形です。したがって、マークシートに①〜⑤を選んで回答します。ただし、問題によっては「正しいものを選びなさい」「誤っているものを選びなさい」「正しいものの組み合わせを選びなさい」「空欄に入らない用語の組み合わせを選びなさい」など、いろいろなパターンがあります(後に挙げたパターンほど難しくなります)。問題文を最後までよく読み、ミスがないように気をつけましょう。

 ここで、一般的な戦略を紹介します。
①合格ラインの6〜7割正解をめざす
 公務員試験の多くは6割〜7割の正解で合格できる、と言われています。逆に言えば、3割は不正解でも大丈夫です。出題範囲がとても広いので、すべての科目を同じように勉強することは好ましくありません。得点のできる得意科目、よく出題される頻出科目に的を絞って、少ない負担で効率的に合格点が取れるように作戦を練りましょう。

②判断推理・数的推理・文章理解はきわめて重要
 この3つの科目だけで、問題の4割〜6割を占めています。したがってこれらの科目を得意科目にできれば大きなアドバンテージになります。判断推理・数的推理は慣れが必要な科目なので早めに取りかかり、得意科目にしておきたいところです。「どうしても苦手」になるかもしれません。その場合は、得意な部分をしっかり得点できるようにしておき、少しでもロスを防ぐ戦略にしましょう。
 文章理解は大学受験で勉強した英語や国語をベースに取り組んでください。

③社会科学・人文科学・自然科学は余力と得意分野でメリハリをつける
 これらの科目は問題数もそれほど多くありません(社会科学は専門試験にも関係するので、少し出題は多くなります。ただし、専門試験の勉強も社会科学の対策になるので、負担は大きくありません)。センター試験で社会や理科を勉強した人は、それをベースに対策を打てば良いでしょう。物理が得意な人は物理で得点し、世界史が得意な人は世界史で得点できるように、大学受験の復習という形で勉強すれば良いと思います。

 戦略的に勉強しない科目を選び、「捨て科目」にするということです。もちろん択一式なので試験本番では必ず解答(マーク)しますが、考えてもわからないものに時間をかけても意味はありません。その時間を得点につながる科目に使うのが賢明でしょう。

 なお、判断推理・数的推理・文章理解に苦手分野がある人は、社会科学・人文科学・自然科学でカバーする必要があります。また、早めに勉強を始めた人は、多くの科目を勉強する余裕があるので、広く勉強しておいても良いでしょう。専門試験で苦手分野がある人も、教養試験で高得点を取れればカバーすることができます。

④得点できる問題から取りかかる
 公務員試験は2時間程度で多くの問題を解かなければなりません。また問題も、易しいものから難しいものまで幅広く出題されます。例えば、試験本番で1問目に難しい問題が出るとつい時間をかけて残りの問題が解く時間がなくなり、慌ててしまって易しい問題も落としてしまうということが起こりえます。問題の中から易しいものを見抜き、それを先に済ませることが重要です。普段の勉強でもそういった練習をしておくことを勧めます。

⑤センター試験のテクニックを応用する
 教養択一試験は5つの中から正解を選ぶ方式なので、センター試験とよく似ています。大学受験の時に聞いたことがあるかもしれませんが、センター試験のテクニックと言われているものがいくつかあります。ここでは詳しく紹介しませんが、「迷った時には◯番をマークする」「極端な表現があると誤りであることが多い」などです。このようなセンター試験のテクニックは、教養択一試験にも多く当てはまります。センター試験の本を読み返してみたり、大学受験の頃を思い出して教養択一試験にも生かしてほしいと思います。