目次を見る

 前のテーマ「第3回:最小の負担で最大の成果をあげる「合格プランシート」とは」へ戻る

 ターゲットを絞り、科目ごとの目標点を「合格プランシート」で設定した後は、その目標点にどうやって到達するのか、つまり勉強する方法を決めます。主に、「独学で勉強するのか」、それとも「予備校に通って勉強するのか」を判断しなければなりません。

 しかし、どちらが良いか一概には言えません。大切なのは、自分がどちらに向いているかです。そして、決めた後は自分を信じて合格のために努力するしかないでしょう。

 そこで、独学と予備校それぞれの特徴を比較してみましょう。ざっと総括すれば、どちらも自分で勉強するのですが、基本的に多くのことを自分で決め、自分で進めるのが独学であるのに対して、予備校はプロが決め、プロがサポートしてくれるという特徴があります。費用は予備校の方が高くなります。独学と予備校では反対と言っても良いほどの大きな違いがあります。一概にどちらが良いということはありません。

 独学が予備校かで悩んでいる人は「独学は心配なので、予備校の方が安心できるのではないか」と考えていると思います。しかし、そうとは限りません。予備校に通う場合でも自分で決める部分は必ずあり、予備校は独学の割合が低くなるだけです。

 まず、予備校にもさまざまなコースがあり、自分で最適なコースを選ぶことが必要です。予備校の充実したサポートは、自分が選んだコースのメニューによります。何年生から、何か月通うコースなのか、受験先は国家公務員なのか地方公務員なのか、受講科目は全部なのか一部なのか、面接や小論文の対策をどのくらい組み込むかなど、決めるべき要素は意外に多くあります。メニューも多様化しているのです。

 もちろん、予備校はプロが決め、サポートもしてくれるところが独学と違う大きな特徴です。安心材料も多いと思います。ただ、これは大きなメリットであると同時に、デメリットにもなる可能性があるので気を付けましょう。「予備校に通っているから大丈夫」という根拠のない安心が油断を招き、期待したほどの効果が出ない可能性もあるのです。

 また、予備校には充実した学習環境があります。どうしても集中できる場所が必要な場合は、予備校が強い味方になるでしょう。予備校には同じ目標を持った仲間が集まり、勉強も自然に身が入ることも大きなメリットです。仲間と悩みを分かち合い、教えあい、励まし合うことで、お互いにとって大きなプラスになります。ただ、これも「ついつい雑談してしまう」ようなことになってしまうと、足を引っ張る存在になってしまいますので、気を付けてください。

 このように、予備校に行こうか迷っている方は予備校のメリットに気持ちが行きがちですが、意外なデメリットもあることに注意しましょう。

 なお、費用に関しては、実は予備校は独学よりずっと高いわけでもない、というのが私の感覚です。これは意外なメリットかもしれません。予備校にかかる費用は、学校やコースにもよりますが20万円以下で済む場合もあります(早期割引や特定の大学生向けの特別値引きなどを使った場合)。独学にかかる費用は、参考書などを揃えると5万円から10万円くらいでしょうから、予備校と独学の差は10万円ちょっとなのです。予備校の費用は公務員の給料数か月分で賄えるのですから、とりあえず親に立て替えてもらって、合格した後すぐに返すことができます。費用よりもあっているかどうかで選んでください。

 なお、詳しいことは下記の電子書籍に丁寧に説明しています。参考にしてください。

 次回は、独学について説明したいと思います。

 前のテーマ「第3回:最小の負担で最大の成果をあげる「合格プランシート」とは」へ戻る

 次のテーマ「第5回:独学か予備校か②独学はルーティン化できるかどうかがカギ」に進む

 目次を見る

 電子書籍「公務員を志す人へ-2021年版: 合格プランの立て方と勉強の進め方」(Amazonのページ)を見る