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 公務員試験にはさまざまな受験先がありますが、どこを受験すればよいでしょうか? 「とにかく公務員になりたい」という人もいますので、「受験先はどこでも良い」と考えるかもしれません。しかし、公務員の仕事は定年まで40年間続きます。人生の多くの時間を仕事に割くことになるのです。やはり慎重に、十分に考えて決めた方が良いでしょう。

 ただし、決め方にはさまざまな方法があります。受験先の選択肢が多いので、絞りきれないという人もいると思います。そこで、今回は受験先を決める方法を3つに絞って紹介したいと思います。詳しくは、私の本「公務員を志す人へ 2021年版: 合格プランの立て方と勉強の進め方」をご欄ください。

 ①仕事内容から絞る

 まず、仕事の内容から絞ることです。大まかに言えば、国家公務員は「この国を引っ張る仕事」、地方公務員は「住民に身近で地域を支える仕事」となります。国家公務員は、文部科学省や厚生労働省といった省庁に採用されることになるので、自分が関わりたい分野がどの省庁の仕事になるのかを確認しましょう。所管する分野の具体的な内容は、各省庁の設置法(財務省設置法など)や組織令(財務省組織令など)といった法令に定められています。ただし、法令を読んでもイメージしづらいので、省庁ごとのホームページや試験情報サイトなどに詳しく掲載されているものを見てください。書籍でも、実務教育出版から発行されている『受験ジャーナル特別企画2 公務員の仕事入門ブック』などに詳しく書かれています(毎年7月ごろ発刊)ので、これも参考になります。公務員試験の予備校に通っている方は、予備校の情報も大いに活用してください。

 次に、地方公務員の場合は「自分がどの地域で住民の役に立ちたいのか」を自分に問いかけてみることです。地方公務員の場合は配属先も幅広いので、仕事の分野よりも地域を絞った方が良いでしょう。地域ごとの特徴を詳しく知りたい場合は、やはり自治体のホームページが最も詳しく、最新情報が掲載されているので有益です。自治体が発行している冊子でも、観光案内や要覧、各種計画書などで地域の特徴や重点政策などが掲載されています。あるいは、先ほど紹介した『公務員の仕事入門ブック』にも都道府県の概要が紹介されています。

 ②試験科目・難易度から絞る

  次に、試験科目や難易度から受験先を絞る方法があります。仕事内容からターゲットを絞ったとしても、数十年単位で勤めるところを選ぶのですから、行きたいところに合格できるよう努力することが大切です。しかし、現実的に合格が難しいと判断される場合は、ターゲットの変更も考えなければなりません

 例えば、国家公務員総合職が難しい場合は一般職に切り替えることも検討できます。あるいは、人気の高い省庁は狭き門となるので、狙いやすい省庁に切り替える方法もあるでしょう。地方公務員でも、都道府県庁では専門択一試験があるなど、難易度は市町村よりも高くなるのが一般的です。そこで、都道府県庁から市町村に切り替えるなど、合格可能性を考慮したターゲットを設定することができます。また、専門科目が苦手な場合は一般教養試験だけが出題される自治体を選ぶのも1つの方法です(ただし、一般教養試験だけの場合は他の受験生も専門科目が苦手だと思いますので、一般教養試験の合格ラインが少し高いと考えておいた方が無難でしょう)。

 もちろん、公務員試験は併願が基本で、多くの学生は3~5くらいの試験を受けています。そのなかで第1志望を絞り、上のレベルにチャレンジしたり滑り止めを加えたりするなど、大学受験と同じように受験先を選んでいけば良いでしょう。

 ③試験のスケジュールから絞る

 最後に、試験のスケジュールからターゲットを絞る方法です。公務員試験への対策を早めに始めれば試験本番まで残された時間が長くなるので、幅広い選択肢からターゲットを絞ることができます。また、公務員試験は国家公務員から始まり都道府県・市町村と進んでいくので、国家公務員を第一志望とする場合と市町村を第一志望とする場合では3~6か月ほど本番の時期がずれます。したがって、対策を始めるべき時期は第一志望によっても変わるのです。

 さらに、自分がコツコツ時間をかけて勉強を進めるタイプなのか、短期間で一気に勉強をするタイプなのかによっても勉強を始めるタイミングは変わってきます。私などは、就職先が見つからず、追い込まれて試験本番で4か月しか残っていなかったので、超短期で猛烈に勉強せざるをえませんでした。当初の予定が崩れたので仕方なく選んだ方法ですが、結果的にうまくいったので良かったと思いますし、大学受験よりも濃い勉強ができたと思います。

 このように、受験先を絞る方法は主に3つあります。最初から絞り切ることは難しいかもしれませんが、「なんとなく公務員をめざす」というあいまいな状況よりも明確になるので、勉強のモチベーションも高くなると思います。

 皆さんの参考になれば幸いです。

 次回から、合格プランの立て方を説明したいと思います。

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