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 公務員試験の勉強法で、まとまった時間をどれだけ確保するかも重要なのですが、じつはもっと重要だと私が考えているのが「スキマ時間を絶対に逃がさない」ということです。スキマ時間とは、生活のなかで途切れ途切れに起こる、数分単位の短い時間のことです。例えば、横断歩道での信号待ちやホームで電車を待っている時間、レジに並んでいる時間などがあるでしょう。トイレに入っている時間や歯磨き、着替えの時間なども当てはまるかもしれません。このように、私たちは毎日、いろいろなスキマ時間を経験していると思いますが、多くの場合、「まだかな」と思いながら何もせずに待っていたり、あるいはここぞとばかりにスマホを取り出してSNSを見たり…と、意味のある使い方があまりできていないのが実態ではないでしょうか。

 しかし、実は公務員試験の勉強ではこの「スキマ時間」こそ、有益に活用すべきなのです。「絶対に逃がせない」と思えるほど大切ではないかとさえ、考えています。特に暗記科目の勉強には最適なのではないでしょうか。その理由は3つあります。

 第1に、スキマ時間は1日に何度も訪れるので暗記の時間を分散することができるからです。例えば、英単語を100個覚えたい時、30分かけて全部覚えようとすると、後半は疲れてしまいます。それよりも、1回20個を5回に分けて覚える方が効果的です。空き時間はもともとまとまった時間ではありませんし、ほとんどの場合はムダに過ごしてしまうことが多いので、暗記にはピッタリなのです。

 第2に、スキマ時間には締め切りがあることです。スキマ時間は自分で空けてできるものではなく、ほとんど偶然にできるものです。信号は青の時もあれば赤の時もありますし、電車がすぐ来ることもあればちょうど出ていってしまうこともあるでしょう。次の青信号、あるいは次の電車までの待ち時間が自然に生まれ、短時間に限られるのが特徴です。暗記は短い時間にできるので、締め切り効果(あと●●分で終わるから、それまで頑張ろう、という気持ちになること)を活用して高い集中力で暗記の勉強に充てることができます。

 第3に、まとまった時間を有効活用できることです。スキマ時間を暗記に使えば、まとまった時間を暗記に使わなくて済みます。これまで30分かけて暗記していた時間を別の勉強に使うこともできますし、リフレッシュに充てても良いと思います。1日の時間配分をより良いものにするためにも、スキマ時間を有効に活用することができます。

 こうしたことから、スキマ時間を有効に活用することは、公務員試験対策として絶対に必要です。私の場合、渡ろうとしていた信号が赤になった時に「やった!勉強できる!」と喜んだくらいです。普通は赤信号になるとテンションが下がってしまいますが、逆になりました。スキマ時間を自分で作るくらいでも良いと思います。

 そこで、スキマ時間に暗記をするために2つの準備をしておく必要があります。まず、常に暗記グッズを持っておくことです。空き時間はいつ、どこで生まれるか分かりませんので、いつでも、どこでもすぐに暗記ができるものを持っておくと良いでしょう。スマホに入れておいても良いのですが、立ち上げるのに少し操作と時間がかかりますし、ついSNSやネットサーフィンなどをしてしまうこともあります。すぐに開くことのできるアプリを用意しておくと良いでしょう。また、ノートや手帳などを使う手もありますが、大きいものはカバンから出す手間がかかるので、ポケットから出すことのできるコンパクトなものがオススメです。いずれにしても、自分に合ったものを使ってください。

 次に、空き時間が発生する場所に暗記すべきものを置いておくことです。例えば、トイレや洗面所に暗記事項を書いた付せんを貼っておくと、トイレや歯磨きなどをしながら暗記をすることができます。同じように、クローゼットに貼っておけば着替えながら暗記することができます。キッチンでも調理や洗い物をしながら暗記することができるのです。そして、覚えることができたら付せんを取り換えて、暗記事項を増やしていきましょう。

 もちろん、これは「少しでも勉強時間を確保せよ」ということではありません。むしろ逆です。まとまったリラックスの時間を確保するためにスキマ時間を使うのです。リラックスするにはある程度まとまった時間が必要です。スキマ時間を勉強のために有効活用できれば、これまで勉強に充てていた時間でリラックスに使うこともできるので、精神衛生上も良いと思います。

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