公務員試験には「憲法」「経済学」など、大学で学ぶ科目から多く出題されます。ですが、法学部でないと法律は解けないものではありません。試験に合格するための勉強のやり方があります。

 公務員試験は「範囲が広く出題傾向が変わらない」「異なる職種でも出題科目に共通部分が多い」「5つから解答を選ぶ選択式」という特徴があります。そして、何よりも合格ライン(一般的に6~7割と言われている)に達しなければ合格できません。

 そこで、合格ラインに達するためには「多く出題される分野に重点を置く」「併願してリスクを分散する」「正解を選ぶ(=不正解を選ばない)」ことが大変重要です。

 ここでは、できるだけ効率的に「多く出題される分野に重点を置く」「正解を選ぶ(=不正解を選ばない)」ための勉強法を紹介します。

第1ステップ:どんな職種を希望するか、そのためにどんな科目を勉強すべきかを決める。

 仕事入門ブックで希望する職種(国家・地方など)を決め、学習スタートブックで科目ごとの配点を把握する。あまりガチガチに絞る必要はない。併願ができ、科目が重複するので、おおよそのイメージでよい。 

 科目ごとに出題可能性を割り出し、目標正解率を乗じて想定得点を計算する。
出題可能性の計算…試験区分ごとに過去の出題数が示されているので、それを用いる。
目標正解率の設定…頻出かつ得意分野の場合は高くする(最高100%)。逆に頻出でなく不得意分野の場合は低くする(最低20%)。3段階くらいが良い(90%、55%、20%など)
想定得点の算出…出題可能性×目標正解率を科目ごとに計算、合計点を算出する。

 安全を考慮して合格ラインをある程度(1割前後)超えていることが必要
「頑張れば達成できる」と自信を持って思える水準であることが必要
勉強する科目について、新スーパー過去問ゼミを揃える。一度に全部購入する必要はない。想定得点が高い分野から始める。ただし、憲法や行政法、経済学は他の科目の土台にもなるので、早めに取り組むのが望ましい。

第2ステップ:教養科目の勉強
 スーパー過去問ゼミまたは畑中敦子のThe ベストプラクティスなどを使う。まずは慣れることが大切なので、解けなくても気にする必要はない。問題を見たら少しだけ解き方をイメージして、解説を読んで感触をつかむようにする。この方法で一通り過去問に触れ、どのようなパターンの問題があるかを把握する。
 次に、パターンごとに1題ずつ問題を解いてみる。(解き方も含めて)正解できればOK、正解できなければ(印を付けておき)後で正解できるまで解き続ける。一通り終えたら、正解できなかった問題をもう一度解き、正解できればOK、正解できなければ(印を付けておき)後で正解できるまで解き続ける。
 続いて、パターンごとに別の問題を解いてみる。上記と同様に、最初は解けなくても良いが、最終的には正解できるまで解き続ける。

第3ステップ:専門科目の勉強

 主に新スーパー過去問シリーズなどを使う。
  方法は教養科目と同じ。問題を見たら少しだけ解き方をイメージして、解説を読んで感触をつかむようにする。この方法で一通り過去問に触れ、どのようなパターンの問題があるかを把握する。次に、パターンごとに1題ずつ問題を解いてみる。(解き方も含めて)正解できればOK、正解できなければ(印を付けておき)後で正解できるまで解き続ける。一通り終えたら、正解できなかった問題をもう一度解き、正解できればOK、正解できなければ(印を付けておき)後で正解できるまで解き続ける。
続いて、パターンごとに別の問題を解いてみる。上記と同様に、正解できるまで解き続ける。同時に、想定得点が中間の科目も並行して始める。分量が増えるので進み方はやや遅くなる。あるいは、徐々に追い込みをかけて勉強時間を増やしていく。
最後に、想定得点の低い科目と最新情報(時事)をカバーしておく。
 

必要なのは「量(たくさん解く)」よりも「質(確実に解く)」

 全体を通じて、多くの問題に触れるよりも、触れた問題は確実にしておくことが望ましい。つまり、解けなかった問題はルーズリーフなどに集約し、解けるまで繰り返すことが必要。例えば3冊のルーズリーフを用意し、触れた問題を「①確実に解ける」「②もう少し繰り返す必要」「③解けない可能性が高い」などに分類する。もう一度解く際は③を中心に行い、②や①のルーズリーフに移していく。最終的には、全問①になるように頑張る。
多くの問題に触れることも確かに大事だが、数を重視するあまり復習がおろそかになっては勉強の時にした間違いを繰り返すだけに終わってしまう。また、どんなに多くの問題に触れても、本番の試験では初めて見るものばかりだろう。多くの問題に触れることよりも、一度触れた問題は確実に解けるようにしておくことが望ましい。なお、この方法でも、勉強時間を長く取れればそれだけ多くの問題に触れることができ、しかも確実に解くことができる