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 今回は、私が実際に公務員試験で実践した過去問の解き方について紹介したいと思います。ただし、当時はスマートフォンやパソコンなどデジタルなものは一切なく、まったくのアナログで行いました。現在はデジタル機器をフル活用できるので、ここで述べた方法をデジタル機器を用いて行うテクニックについても簡単に紹介したいと思います。

 私は大学受験の時、参考書や問題集をたくさん揃え、「問題をとにかく1問でも解いた方が良い」と考えて勉強をしました。しかし、多くの本が書棚に並んでいて忙しく勉強している気になっていたのですが、結果的に成績が伸びず、満足できる結果を得ることができませんでした。その反省から、公務員試験では方針を大きく変えて「確実に正解を増やす」ことを重視する形で勉強しました。その結果、公務員試験の成績は分かりませんが、合格できたので戦略は成功したと思います。

 このような方針転換のきっかけになったのは、大学受験の時に教えられたある先生の言葉を思い出したからです。それは「勉強とはこれまで正解できなかった問題を正解できるようになることだ」ということです。とてもシンプルですが、まさに大学受験で合格を勝ち取るための全く正論の方法だと思います。大学受験の場合は以前述べたように出題形式も異なるので、教科書で学ぶことも必要です。しかし、公務員試験の場合は出題形式が統一されているので、過去問を解くことで十分勉強になります。そこで「これまで正解できなかった問題を正解できるようにする」という対策を最も取りやすいのが公務員試験だと思います。

 私は次のような方法で勉強してきました。まず、過去問を解いて正解できなかった問題は、解説も含めてコピーをしてルーズリーフに貼り付けました。そしてそれらをファイルにまとめ(科目別に整理)、いつでも復習できるようにしておいたのです。勉強ではこれらの問題を正解できると自信がつくようになるまで勉強し、それができればルーズリーフから外します。ルーズリーフが減ってきた段階で新しい問題に取り組み、正解できなかった問題をルーズリーフに貼り付ける、それを正解できる自信がつくようになるまで勉強する…といった勉強をしてきました。

 ルーズリーフから外した問題が増えてくれば、自分が正解できる問題が増えたことが目に見えてわかるので、大きな自信につながります。「自分がこれだけ勉強してきたんだ」という実感も湧くので、気持ちも楽になるのではないでしょうか。もちろん時間が経つと忘れてしまう場合もあるので、時期を機を見て改めて復習することも良いと思います。

 これまでの勉強では「たくさん解く」ことを重視してきました。しかし、これはその時は解けると思っても本番で正解できる保証はありません。むしろ、いろいろ手を出しすぎて「前見たような問題だけど何だったっけ?」となってしまいます。それでは勉強の成果になりません。むしろ解く問題は少なくても、「確実に正解を増やす」ことが大切だと気づきました。

 現在はデジタル機器がいつでも使えるので、解けなかった問題はスキャンしてアプリに入れておけば、いつでもどこでも勉強できます。しかも、コピー代もかかりません。ルーズリーフのように自由にページを入れ替える機能が付いたノートであれば、何でも良いと思います。皆さんも試してみてください。

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